コンビニ大手のファミリーマートはプラスチック製フォークの提供を廃止すると発表しました。
2022年10月4日から全国の店舗でフォークに代わり竹箸を提供し、プラスチック使用量を削減する取り組みに大きく舵を取りました。
さらに、マクドナルドも2022年10月7日より紙製ストロー、木製スプーン・フォーク・ナイフ・マドラーを全国のマクドナルドにて順次提供すると発表しました。
このように様々な企業が使い捨て(ワンウェイ)プラスチック使用を見直し、石油由来プラスチック製品への規制が世界的な広がりをみせており、
「SDGs(持続可能な開発目標)」においてもプラスチックの代替素材を使うことは有効です。
「プラスチック循環促進法」のコンテンツや木村容器のコンテンツでたびたび特集してきたバイオプラスチックですが、今回はどのようなスプーン、フォークなどのカトラリー製品を取り扱っているかをご紹介いたします。
さらに脱プラスチックで注目されるようになった、木製や竹製の使い捨てカトラリーについてもご紹介いたします。
バイオマスプラスチック
バイオマスプラチックとは、再生可能な生物由来の資源を原料として合成することで作られるプラスチックです。
この「生物由来の資源」とは主にトウモロコシやサトウキビのデンプンなどを原料に使っています。
使われているトウモロコシは家畜用飼料などに使用されるものであり、人間の食料として使用されない種類のものです。
サトウキビは砂糖を作る際に生じる搾りカスを使っています。
バイオプラスチックについては、「温暖化対策の希望|バイオマスプラスチックを解説します!」をご覧ください。
バイオマスが配合されている割合は様々あり、バイオマスの割合が高いほどコストも上がります。
コストを抑える場合はバイオ10%、環境への配慮を優先する場合は25%など状況に合わせて選択いただけます。
また、食用とされない産業廃棄となるお米を用いた「ライスレジン」というバイオプラスチックも開発されています。
この「ライスレジン」は新潟の工場で誕生したものです。新潟といえば、お米の産地として有名ですよね。
お米のなかで非食用となってしまった、廃棄予定のものを活用できないかとつくられたのが「ライスレジン」なのです。
全国には地域の特産物がそれぞれあります。
すべてが有効活用できればいいのですが、中には廃棄になってしまうものもあると思います。
それを活用する手段として、その地域特有の産業廃棄物から今後、地域オリジナルのバイオマスプラスチックが開発されるかもしれません。
- BP NSシリーズ(東商化学)
- バイオマスシリーズ(ホウケン産業)
- ライスレジン(ホウケン産業)
- MAPKA(マプカ)カトラリー(東罐興業・大黒工業)
生分解プラスチック
微生物分解性プラスチックの略。
通常のプラスチックと同様に使用でき、使用後は特定の状況下で微生物の働きにより、最終的に水と二酸化炭素に分解され、自然界へと循環するプラスチック。
使い捨てカトラリーにおいて生分解性プラスチックは、PLA(ポリ乳酸)やPBS(ポリブチレンサクシネート)が用いられています。
ただし、ただ地中に埋めるだけだと分解に長い時間がかかるため、微生物の働きが活発となるコンポスト(堆肥)を準備することなどが必要となります。
日本では、廃棄物は焼却処理されるため、生分解というメリットを生かすには制度や設備が重要になってきます。
また、石油由来プラスチックに比べ分解されやすい分、劣化も早いため、製造から長い期間経つと脆くなってしまうという欠点もあります。
プラスチック以外の天然素材カトラリー
木製(ウッドカトラリー)
カトラリーにおいてプラスチックに代わる素材というと、まず思い浮かべるのが木製ではないでしょうか。
木や紙は材料自体がすでにCO2を吸収したものなので、使用後燃やしても二酸化炭素の発生量はプラスマイナスゼロ=カーボンニュートラルと言われています。
ただし、木をスプーンやフォークの形状にするのに熱を加えて加工しているため、熱いものに使用し続けると変形する可能性があります。
また、自然素材のためささくれなどが生じやすく、使用感は人により気にされる方もいらっしゃいます。
最近は多くの飲食店やコンビニでプラスチックから木製カトラリーへの切り替えがされています。
簡単に下記表にまとめてみました。
マクドナルド | 2022年10月7日~ 全国の店舗で紙製ストロー、木製スプーン・フォーク・ナイフ・マドラーを順次提供。 |
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ケンタッキーフライドチキン | 店舗で使用するカトラリーの一部を「ウッドスプーン(環境配慮型)」へ順次切り替え、2023年4月末までに国内全店で導入すると発表。 |
ファミリーマート | 2022年10月4日~ プラスチックフォークの提供を原則廃止。竹箸を代用して提供する。 |
竹製
竹は一般的な木材よりも成長速度が早く、一度植林をすると基本的に植え替える必要がないのと、CO2の吸収が早い特徴があります。
カトラリーに関しては、木製品よりささくれが少ないため、口当たりがよくなっています。
ただし、コスト面では他の素材に比べて高いのが懸念事項です。
まとめ
最近では、「エシカル」「サスティナブル(サスティナビリティ)」など環境にやさしいものを選ぶことが、洋服など様々な製品で求められるようになりました。
使い捨て容器やカトラリーでも環境に配慮したエコ素材を使用することにより、SDGsになり企業や商品イメージアップにつながると思います。
テイクアウトであれば、使い捨て容器やカトラリーが「お店の顔」となることだってあります。
これを機にプラスチックからエコな素材へ見直してみるのもいいかもしれませんね。