憂慮される地球温暖化現象
2019年はいろいろなニュースがありましたが、特に9月に開かれた国連気候行動サミットにおいて演説をおこなったスウェーデン人の環境保護活動家、グレタ・トゥーンベリさんは大きな話題になりました。
彼女に対するさまざまな批判の声もありますが、近年起きているハリケーンや山火事、また年々更新される最高気温などは、環境問題が緊急に取り組まなければならない世界的な大問題であることを証明しています。
この日本でもグレタ・トゥーンベリさんのことをSNSでただ非難している人は数多くいますが、それらの人が代案をだしている訳でも、グレタ・トゥーンベリさんのように世界的に地球温暖化を防ぐ活動をしているわけではありません。
ただプラスチックのない不便な社会が嫌だ、彼女の言い方が嫌だ、彼女のバックには何か大国がいて変な思惑がありそうだから嫌だと言い、ただ非難しているだけなのです。
でも今年の秋の日本のように台風の大型化による甚大な被害、夏の猛烈な暑さ、ゲリラ豪雨は以前より頻繁に起きるようになり、酷くなる一方で亡くなる人も多いにも関わらず・・・・
グレタ・トゥーンベリさんにも問題はあるかもしれません。
しかし、もしその地球温暖化現象が、CO2が問題でない可能性があったとしても、もし問題である可能性が少しでもあるのなら、今後の社会を受け継いでいく子どもたちのために、大人の責任として削減しなければならないのです。
ではこうした地球温暖化に関する環境問題に、企業、又は個人のお店としてどのような取り組みができるのでしょうか?
原因となる可能性のあるものから対応
前述したように、地球温暖化の原因には諸説ありますが、二酸化炭素を中心とする温室効果ガスが原因であるという認識が世界的に広まっています。
それに纏わり、地球上に排出される二酸化炭素量を減らす取り組みが加速しています。
例えば日本では、ガソリンや軽油などの石油に代わるエネルギーで走る電気自動車や天然ガス自動車などのエコカーが増えています。
もっと身近なところでは、石油を原料とするプラスチック製品を減らすためにレジ袋の削減なども行われていますね。
このプラスチックを減らすという問題は地球温暖化以外にも、地球の環境に与える影響という面でも取り組まなければならない問題の内の一つになっています。
それが海洋プラスチックの問題です。
それは別のコンテンツで論じています。
このように世界中で環境保護が注目されているので、企業にも環境を考慮した取り組みが期待されています。
では、容器・包装の分野で、環境に配慮したどんな取り組みがなされているのでしょうか?
地球環境に配慮した容器・包装は必要?!
前述しましたが、石油を原料としたプラスチックは製造過程で二酸化炭素が出るだけではなく、大半がゴミとして焼却されることにより、さらに二酸化炭素を地球に排出しています。
アメリカのジョージア大学の研究チームの報告では、1950年以降に世界で製造されたプラスチック製品の総量は83億トンになっており、そのうち63億トンがゴミとして捨てられたという推計がされています。
廃棄方法の内訳は、12%が焼却処分、79%は埋め立てや自然界にそのまま捨てられていて、リサイクルされたのはわずか9%ということです。
日本に限ってゴミを分析してみると、一般廃棄物全体に占めるパッケージの容積比率は半分以上となっています。
ですからこれからの時代、パッケージ産業が環境に配慮したものを開発し、企業やお店がそのような環境に配慮した容器や包装に切り替えていくならば、単純計算でも従来の半分もCO2削減が行われると言えます。
地球環境に配慮した容器・包装とはなんですか?!
地球環境に配慮した容器・包装(環境配慮型パッケージとも言う)とは、包装の基本的な機能(商品の保護、利便性、情報の提供)を保ちつつ、地球環境への負荷を低減したパッケージのことを地球環境に配慮した容器・包装と言います。
わたしたち消費者は、商品を購入する時やごみを出すときに・リデュース(ゴミを減らす)・リユース(捨てるのではなく再利用)・リサイクル(不要なものをもう一度資源に戻して、新しいものを作る原料にする)を意識しますが、商品を売る側もこうした取り組みを行うのです。
では様々な企業が、環境に配慮した容器や包装を取り入れるためにどんな取り組みをしているのか、ご紹介します。
環境に配慮した容器・包装にはどんな種類があるか
(1)包装材料の軽量化、薄肉化、小型化
まずは容器や包装に利用する資源を減らすという方法です。
これにより資源の無駄遣いを防ぐだけでなく、パッケージが小さくなることで一度にたくさん運ぶことができるので、効率の良い物流配送にも繋がりCO2排出量を削減することができます。
例)コカコーラ社・・・簡単にしぼってつぶせるペコらくボトルは廃棄する時につぶしやすく、リサイクル時の減容化を実現しました。
軽量化しながらも必要な強度を保つために多角形リブ構造を採用しています。
その結果500mlの容器で比較すると、従来容器の 20.5gから12gとかなりの軽量化が実現しました。
(2)包装材料の変更
次は、利用する資源を見直すという取り組みです。
石油などの枯渇性資源をできるだけ使わず、バイオマス材料に置き換えることで資源の保護やCO2削減に繋がります。
バイオマスプラについては知って得する バイオマスプラスチックとは何ですかをご覧ください。
また、間伐材を使用することで森林の機能を向上させ、CO2の吸収量を高めることで地球温暖化防止にも繋がります。
例)石屋製菓株式会社・・・白い恋人のパッケージに使用されているトレイは、トウモロコシ澱粉を主原料とした バイオマス素材でできています。
これにより、プラスチック製容器に比べCO2の発生量がを抑えられています。
わたしの大好きで愛する『キットカット』は、紙包装に代わりました。
これも大きな変革であり、地球環境に配慮したパッケージと言えます。
さらにマクドナルド、モスバーガーも徐々に環境に優しい包装パッケージ、容器にしつつあります。
それはセブンイレブンもそうです。
このように社会的に影響力のある企業が地球環境に配慮した包装・容器への変革に取り組んでいるのは非常に評価されるのではないでしょうか。
でもセブンイレブンさんは、バイオプラスチックの100%に近いポリ袋が存在するにも関わらず、少ない量しか使っていないんですよね・・・・・
やはり地球環境への対応がセブンイレブンのマーケティング戦略なのかもしれません。
(3)リターナブル製品・詰め替え製品・耐久性の高い製品
リターナブルとはその名の通り、繰り返し使用できるということです。
リターナブル容器は使用後に回収され、殺菌洗浄したのち、再度中身を入れて販売されます。このように繰り返し利用すること、また繰り返し使用できる耐久性の高い容器を使用することによって、環境負担を軽減できます。
例)宝酒造株式会社・・・「焼酎のはかり売り」。専用タンクに詰めた焼酎を販売店に工場から直送し、新たな容器を使用せずに中身だけを販売します。
お客様はペットボトルなどの空容器を販売店に持参し、販売店はその空容器を洗浄してお客様から注文された分だけ詰めて販売します。
はかり売りで 1 年間に節約できる容器は、2.7L のペットボトルに換 算すると約50 万本、節約できたペットボトルの製造過程で排出される二酸化炭素量は約130トンとのことです。
(4)分別しやすい包装・単一素材化
異素材が混ざった包装は、捨てる時にひと手間かかります。
そのひと手間がかけられず、分別されずに捨てられるゴミが実はたくさんあるのです。
異素材が混ざった包装から素材を単一化することで、分別の手間を省き環境配慮を図っているのです。
また剥がすのが面倒で諦めていたような瓶のラベルも、簡単キレイにはがせる工夫がされるようになっています。
例)エスビー食品株式会社・・・調味料などのガラス容器入り商品に、分別廃棄しやすいキャップ「易分離キャップ」を採用しています。
ガラス容器を再利用できるように詰め替え用商品も揃っていますが、ビンを捨てる時にも分別しやすいように、「はがしやすいラベル」が採用されています。
(5)製造工程の見直し
製造時に排出されるCO2やエネルギーを削減するため、製造工程を見直したり、環境配慮型の機材を導入する企業もあります。
例)大塚製薬・・・「ポカリスエット」のボトルに使用されるラベルを、従来のストレッチタイプから巻きつけタイプに変更することにより、ラベリング時の加熱操作が不要となり消費電力の削減につながっています。
(6)商品への環境情報の提示
どんな環境配慮がされている製品なのかが商品に表示してあれば、消費者は環境に優しい商品を選ぶことによって環境保護の取り組みに貢献することができます。
また、使用後の再利用・分別の方法を提示しておくことも、大切な取り組みの一つです。
例)味の素株式会社・・・独自の環境マークである「味なエコ」マークの表示を行っています。
「詰め替えをおすすめしている」とか「植物性プ ラスチックを使用したもの」など計9 種類のマークがあり、こうした表示は消費者の環境への意識を高めることにもつながっています。
まとめ-環境に配慮した容器と包装
環境保護が急がれる今、世界に遅れることなく環境保護のため手を尽くすことは、地球に住む私たちの責任とも言えます。
特にパッケージのゴミが多い日本においては、環境に配慮した容器包装は必須となっています。
それは紙コップ・プラスチックカップのみならず、ポリ袋、お弁当箱など様々な容器、包装資材を扱っております。
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