【地球温暖化】CO2削減は急務?!
2020年は東京オリンピックが行われます。
それだけでもこの日本にとって重要な節目の年になるかもしれません。
しかし別の観点でもこの2020年という年はこの日本にとって重要な年になるということをご存知の方はいらっしゃるでしょうか。
この2020年という年は日本にとって観光面でも、環境面という観点からみても重要な年なのです。
なぜなら、地球温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」が本格的にスタートする年なからなのです。
このパリ協定の本格的な実施を前にブラジルで開かれたCOP25(25回目の国連の温暖化防止会議)は、グレタさんの演説もあり世界中で大きな話題となりました。
今のところ、各国が提出している地球温暖化ガスの削減目標をすべて足しても、気温上昇はパリ協定の目標を達成することができないレベルとなっており、もし地球温暖化現象がCO2が原因で生じているのであれば、このパリ協定で決められたCO2削減はわたしたちにとって急務となります。
※地球温暖化現象の実際の原因は不明点が多くあるのが現実です。そのため諸説入り乱れています。
前述のパリ協定がありますので、この日本においても地球温暖化現象を防ぐべき、CO2削減に向けた様々な取り組みがなされています。
その一例としては、プラスチックを使用後、廃棄の際にそのプラスチックを燃やすことによって生じる二酸化炭素(CO2)の増加につながる石油由来のプラスチックを減らしていくのも一つの施策です。
この地球温暖化現象でやり玉に挙げられている石油由来のプラスチックはCO2排出問題だけではなく、海洋プラスチック問題でも注目されています。
(プラスチックの海洋ゴミ問題については「バイオマスプラスチック 環境問題の解決策になるのか?!」をご覧ください)
ですから現在、この石油由来のプラスチック製品は、2つの問題で世界中で使用削減が検討されているのです。
しかし現在、このような石油由来のプラスチックはわたしたちの生活から切り離せないものとなっており、大幅な削減は難しいとされています。
そこで、石油由来のプラスチックの代替として注目されるのが、バイオマスプラスチックなんです。
このコンテンツでは、バイオマスプラスチックが注目されている理由と、石油由来のプラスチックをバイオマス製品に転換することによって、どの程度のCO2削減効果があるかについてまとめています。
プラスチックの削減ってできる?
今となっては誰でも知っていることですが、石油からつくられるプラスチックは廃棄するとCO2を排出することになります。
しかしこのような石油由来のプラスチックは、わたしたちの生活に深く根付いるので、プラスチックを減らすにしても限界があります。
たとえば今少し挙げただけでも、ペットボトルやお弁当容器、食品の包装などありとあらゆるものが石油由来のプラスチックでできているのです。
ですから単純に考えれば、使用されている石油由来のプラスチック製品の仕様素材を変えて、バイオマスプラスチック(自然素材由来)の製品に変えていくという方法が良いと言えるのです。
しかしことはそう簡単なことではありません。
バイオマスプラスチックとは
バイオマスとは、バイオ(生物)とマス(量)が結びついた生態学の専門語です。
簡単にいうと、バイオマスとは自然にある動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)」、例えば、木くず、紙くずや間伐材、それ以外にもトウモロコシ、キャッサバ、バガス(さとうきび)などの有機生物から生まれた再生できる資源のことをバイオマスと言います。
このようにバイオマスは太陽と水と二酸化炭素があれば補給される植物や生物由来の資源で、人間の利用速度以上に補給されるものなので、「再生可能な」天然資源です。
そのような再生可能な天然資材を原料とし、プラスチックの素材としたのがバイオマスプラスチックといえます。
また上記のバイオマスの原料から分かるように、バイオマスプラスチックの原料である植物は、もともと大気中の二酸化炭素を植物が光合成して固定したものなので、焼却により二酸化炭素が発生しても、それは植物による吸収と資源活用のサイクルの一端であり、実質的にはCO2の増加には繋がりません。
詳しくは「知って得する バイオマスプラスチックとは何ですか」をご覧ください
ですから地球環境に優しいプラスチックがバイオマスプラスチックと言えるのです。
では実際に石油由来のプラスチックをバイオマスプラスチックに転換したら、どの程度二酸化炭素の排出を削減できるのでしょうか?
バイオマスプラスチック製品のCO2削減効果とは
下の表は、現在国内で一年間に使用されている石油系プラスチックを10,136,679トンを、1%から30%までバイオマスプラスチックに代替した時のCO2削減効果です。(日本プラスチック工業連盟 プラスチック原材料販売実績2018確定値より)
代替率 (%) | 代替量 (万トン/年) | 1.4倍とした時の CO2削減量(万トン/年) | 2倍とした時の CO2削減量(万トン/年) | 5倍とした時の CO2削減量(万トン/年) |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | 14 | 20 | 51 |
5 | 51 | 71 | 101 | 254 |
10 | 101 | 142 | 203 | 507 |
30 | 304 | 426 | 608 | 1521 |
CO2削減効果が重量に対して1.4倍、2倍、5倍でそれぞれ計算されていますが、これはバイオマスプラスチックの生産にもエネルギーが必要で、それは原料となる植物の種類や製法によって変わるからです。
原料となる植物の生産や輸送のために大きなエネルギーがかかる場合、その分CO2排出が増えて削減効果は薄くなるのです。
一番少ない1.4倍という数字は、石油由来のプラスチックの中でも比較的二酸化炭素排出の少ないポリスチレンを、バイオマスプラであるポリ乳酸に代替した時のCO2削減量です。
この表を見ていくと、現在使用されている石油系プラスチックのうち1%(10万トン)をバイオマスプラスチックに代替した場合、少なく見積もっても(1.4倍として)一年間で14tのCO2を削減することができます。
もし10%の石油系プラスチックを代替した場合は、300t以上のCO2を削減できることになります。
今使用されている石油由来のプラスチックをバイオマスプラスチック製品に変えるだけで、理論上はこれだけの効果が想定されるのです。
石油由来のプラスチックからバイオマスプラスチックへの変更
現在すでに各企業が包装や繊維などの素材で石油由来のプラスチックからバイオマスプラスチックへの切り替えを進めて居ます。
例えば、セブン-イレブン・ジャパンはおにぎりの包装を全品バイオマスプラに切替えています。
また、ファミリーマートはサラダの容器でバイマスプラスチックを使用しています。
バイオマスプラスチックの製品を使用するには、石油由来のプラスチック製品を使用するよりもコスト余分にかかりますが、こうした環境問題への取り組みは企業の価値を向上させることになり、装や繊維などの素材で石油由来のプラスチックからバイオマスプラスチックへの切り替えを進めて居ます。
例えばセブンイレブンジャパンはおにぎりの包装を全品バイオマスプラに切替えています。
また、ファミリーマートはサラダの容器でバイマスプラスチックを使用しています。
さらにモスバーガーもマクドナルドも石油由来のプラスチックの使用量を減らし、バイオマスプラスチックの使用量を多くしています。
2020年7月からは、プラスチックごみの削減に向けて、スーパーやコンビニエンスストアなど小売りを対象に、レジ袋の有料化が義務付けられることになっており、消費者も脱プラスチックに敏感になっています。
これまで考えてきたようなバイオマスプラスチックの製品を使用するには、従来の石油由来のプラスチック製品を使用するよりも余分にコストがかかります。
しかしこうした環境問題への取り組みは企業の価値を向上させイメージアップにもつながるため、積極的にバイオマスプラスチックを利用する動きが高まっています。
まとめ
わたしたちの生活に密着している石油由来のプラスチック製品ですが、地球温暖化を考えると早急に削減していく必要があります。
まずはお店でいつも使用している容器やカトラリーを、バイオマスプラスチックの製品に切替えられるか検討できるかもしれません。
最近は環境に優しいバイオマスプラスチックの容器やカトラリーの種類が豊富になっています。
さらにレジ袋などをバイオマスプラスチック100%の素材で作られている企業さまもいらっしゃいます。
木村容器(株)は数々のバイオマスプラスチック製品をご用意しております。
バイオマスプラスチックや、他の包装容器をお考えの方は是非、木村容器のパッケージコンシェルジュまでご相談ください。