今ではコンビニでもらう割り箸から料亭で使われる割り箸、多くの場面で箸を見かけます。
このようにわたしたち日本人にとって身近な割り箸ですが、箸には様ざまな種類があることをご存じだったでしょうか。
ただ食品を掴むだけで、箸の種類・形状には無頓着という方も多いかと思いますが、箸は日本の文化の一つ!
お客様がお料理を最も美味しく味わえるように、お箸にこだわるお店はたくさんあるのです。
しかしその反面、割り切って箸はただ掴むだけと考え、箸に経費をかけないように価格優先というお店もあります。
いずれにしても、それら飲食店には箸は欠かせないものとなっているのです。
では割り箸にはどんな種類があるのでしょうか?
このコンテンツでは、割り箸の素材や種類から、割り箸を選ぶときに役立つポイントまでをご紹介します。
割り箸の種類-形状別
普段割り箸の形状を比べてみることって少ないですよね。
私は、割る必要のないすべすべの割り箸が出てくると、「おっ、なんだか高級な気分だぞ」と思ったりします。
しかし割り箸の形には様ざまな意味があるようですので、それぞれの箸の形状の特徴をみていきましょう。
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利久箸
利久箸は箸の真ん中が最も太く両端が細くなっている格式高い形の箸です。
室町時代に、お茶で有名な千利休が茶席で客をもてなす時に愛用していたので利休箸と言われています。
吉野杉を使用した利久箸は高級品です。
利久箸はおもてなしの席や、寿司店、日本料理店などにおすすめです。 -
天削箸
天削箸は、持ち手側の端を斜めにカットしてあり、高級感がある箸です。
もともとは杉などの木目の美しさを引き立てるために割り箸の天の部分を切った高級品でしたが、最近は安価なものもあります。
天削箸はおもてなしの席や、寿司屋、居酒屋、和食のお店など幅広いお店に合います。 -
竹割箸
竹割箸は竹材でできていて、若干太めですが丈夫で割りやすい箸です。
値段の割に高級感があるので人気です。
竹割箸はもともと熊本・鹿児島の竹を使って開発されたお箸です。
後に竹の豊富な中国で多く生産されてきました。
竹割箸は油をはじく特性のため、天ぷら、うなぎ、中華料理店などに好適です。
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元禄箸
四角形の角を切り落とし、割りやすいように溝を入れた割り箸
角を削っているので切り口が八角形になっています。
元禄箸は一番メジャーな割り箸とも言える形です。
元禄箸にはヒノキなどを使った高級品もありますが、ほとんどは白樺やアスペンで安価に手に入ります。
元禄箸は家庭用のほか、ラーメン店、居酒屋、テイクアウトフードなど多くの場面で使われています。 -
丸箸
丸箸は一本ずつ加工された割らない割り箸です。
丸箸は古くからお正月や節句などのお祝いの日に用いられ、両端が細くなっています。
これは箸の片方を人間が、もう一方を神様が使って一緒に正月のおせちをいただくという考えからきています。
また丸箸全体に角がないように加工されているので、家庭円満など縁起が良いとみなされています。
丸箸の素材はしなやかで折れにくい柳が一般的ですが、最近はアスペン素材の安価なものもあります。 -
丁六
丁六箸は中溝がなく、四方の面取りもしていないシンプルな割り箸です。
丁度六寸(18cm)なので丁六という名前が付いたようです。
中溝を彫っていないのできれいに割れないことも多く、角が手に当たるので使いやすいとはいえませんが、価格はもっとも低い箸です。
低コストで楽しめる飲食店などで使用されています。
割り箸の種類-素材
割り箸を使う時、素材に注目したことはありますか?
日本は木造の文化なので、日本人は木の香りや手触りなどに敏感ですよね。
割り箸にもいろいろな素材が使用されています。
それでは割り箸に使われている素材ごとに、高級な杉から価格順に紹介したいと思います。
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杉
杉は高級感があり、キメが細かく強度も高いといえます。
杉の中でも特に吉野杉は木目が細かく、強度があって光沢があります。
割り箸の原料になるのは、建築資材を取った残りの端材が有効利用されています。
杉は水分が多いのですが、建築などで使われた端材は水分量も少なくなっているので反りもすくなくなります。
杉の割り箸は、高級日本料理店やおもてなしの席に好適です。 -
ヒノキ
ヒノキはしなやかで強度があり、香りが良いことが特徴です。
このヒノキの香りには天然の殺虫・防カビ・抗菌効果があります。
ヒノキの香りが良く口触りも優しいので、寿司など繊細な料理とマッチします。
ヒノキで作られた箸も、杉と同じく端材が利用されています。
寿司店、日本料理店、おもてなし用に適しています。 -
柳
柳は折れにくい木なので柳の箸は縁起が良いとされています。
正月に使われる丸箸にはこの柳が使用されます。
柔らかくキメが細かいので優しい肌さわりです。 -
エゾ松
エゾ松は強度が高く、箸にするとまっすぐに割れやすいといえます。
エゾ松の箸は高級感がありながら割と安価に購入できます。
日本では北海道に自生する松の一種ですが、中国にもたくさん自生していて中国産のエゾ松割り箸もあります。
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竹
竹は強度があり油に強い性質がありながら、箸にすると竹の繊維に沿ってまっすぐに割りやすいという特徴もあります。
そして値段の割に高級感があるので、人気の素材です。
コンビニはほぼこの箸になっていますね。
強度と耐油性から天ぷらやうなぎ料理、中華料理などに適しています。
最近は製造工程で電子レンジで加熱しているという箸屋さんもいますが、現場の中国の実情は少し違うようです・・・
燻して上質にした炭化箸はカビや虫に強く、品のある落ち着いた色です。 -
白樺
白樺は比較的安価でコシが強い材質です。
日本では北海道にだけ自生しているので、白樺の割り箸は中国からの輸入品がほとんどです。
白樺は樹液が多く建築資材には向いていませんが、研究によって割り箸として加工することができるようになりました。
白樺は他にあまり利用する用途がないため、比較的安価な箸です。 -
アスペン
アスペンは別名ホワイトポプラといいます。
アスペンは安価で色が白く、軽く柔らかい材質です。
主な自生地はカナダで、木の白さが人気で割り箸の原料としても最近多く使われるようになってきました。
ラーメン、そば、うどんなどや、普段の家庭用に向いています。
割り箸の長さと箸袋
割り箸の長さ
割り箸の長さに〇寸と表示されていることが多いようです。(1寸=3.0303cm)
では割り箸にはどんな長さがあるのでしょうか?
割り箸は短い方から5寸、6寸、7寸、8寸、9寸となっています。
5寸はさすがにあまり見かけませんが、以前何かの折り詰めについてきた箸がやたらと短かったので、今思えばあれは5寸だったのかもしれません。
5寸は約150mmなので、男性だったらさぞ食べにくいだろうと思います。
〇6寸=約165mm・7寸=約180mm
折り箱や仕出し弁当の容器から飛び出さない長さということで、短いサイズが使用されています。食べられればよい、という割り箸なので、ほとんどアスペンなど低価格の素材です。
〇8寸=約210mm
コンビニや家庭用の割り箸のほとんどがこの長さです。素材や種類も豊富です。
〇9寸=約240mm
高級感が感じられる長さの箸。素材も杉やヒノキなど香りも楽しめるものがあります。
最近よく出回っているのは、コンビニサイズの箸です。
恐らく20cm強です。
このサイズじゃないとポリの箸袋の中に入らないので、そのサイズが数多く流通していると思われます。
確かに長めのお箸はゆったりとした空間で優雅に味わう感じがしますね。
逆に時短・安い・おいしい!のテイクアウトなどは、短めのお箸でもお客様は満足です。
お店のメニューやコンセプトによって、選ぶ箸の長さも変わってくるということですね。
箸袋もいろいろ
外食した時に、割り箸袋で箸置きを作る日本人って多いですよね。
でもコンビニなどでは紙ではなく、ビニールで包装された割り箸がほとんどです。
考えてみると、爪楊枝が入っている割り箸の場合密封されていないと楊枝がどこかに行ってしまいそうです。
では割り箸袋の種類をご紹介します。
①裸箸
袋に入っていない箸です。50膳、100膳といった単位で売っている。箸袋を別に注文して入れるお店もある。
②紙完封箸
一膳づつ紙で包装されたお箸です。個包装されているので清潔です。
③プラ完封箸
一膳づつOPPフィルムなどで包装されたお箸です。個包装されているので清潔です。
④スミ切り袋
お箸の上部だけが見える紙の袋で、角が斜めにカットしてある袋。
まとめ
割り箸は一度きりしか使わないものですが、料理や食事のスタイルによっては香りや色も楽しめる素敵なカトラリーであることが分かりました。
箸を変えなくても、箸袋変えるだけでちょっとイメージが変わるものです。
この機会に、普段提供している割り箸を見直してみるのはいかがでしょうか?
木村容器のパッケージコンシェルジュは割り箸に詳しいので、気になった方はご相談してみてください。
中国やベトナムなどの箸事情にも詳しいのでご相談ください!