「カフェはあくまで趣味でやるもの。売上や収益を期待してはいけない」
飲食業界の中でまことしやかに言われていることです。
実際にそう厳しく語る、外食ビジネスの専門家も少なくありません。
なぜ数ある飲食業態のなかで、カフェ経営は難しいと言われることが多いのでしょうか?
このコンテンツでは、自分のカフェを繁盛店にする方法について特集してみたいと思います。
繫盛店のカフェを開業したい
カフェを開業したいと思う人は数多くいます。
しかしもしそう思ったときに、飲食業や接客業が未経験だったり、もしくはアルバイトで働いた程度の経験しかなかったりすると、「本当に自分にできるのかな?」と不安になってしまいます。
しかし今でも数多くの人がカフェを開業しています。
なぜカフェは開業しやすくのでしょうか。
カフェを営業するために必要な資格は2つあります。
食品衛生責任者と30人以上入るカフェなどの場合では防火管理者という資格が必要です。
30人以下の小さなカフェだと必要な資格は食品衛生責任者だけでいいんです。
その食品衛生責任者という資格ですが店舗ごとに必ず一人、この資格を持つ人が必要です。
しかしその資格の保持者が店長でなくても構いません。
その食品衛生責任者という1日講習を受けるだけの資格と資金があれば、開業することができます。
計6時間の講習とペーパーテストのみで資格がとれるのです。
しかもカフェを開業するには調理師免許は必ずしも必要ではありません。
しかし、もし調理師免許を持っている場合は「食品衛生責任者」の講習が免除となります。
栄養士や製菓衛生士の資格でも同じように講習が免除となるのです。
このようにカフェは開業するハードルが低いため開業を考える方が多いのです。
ではカフェを開業し、長く続けるためにはどんなハードルがあるのか、そのカフェを繫盛店にするために何をすればよいのか考察してみます。
カフェの約半数が出店してから1年で閉店する
はい。
その通りです。
カフェの約半数は出店1年目で廃業しています。
10年以上継続しているカフェはカフェ全体の5%くらいしかありません。
なぜそのようなことになってしまうのでしょうか
カフェを取り巻く環境
純粋に「珈琲(コーヒー)」という飲み物について考えてみます。
現在、日本国内のコーヒー消費量は拡大しています。
以前はカフェインが苦手でコーヒーを敬遠していた方も、最近ではカフェインがカットされた「デカフェ」をどこでも買えるようになりました。
では、カフェの店舗数はどうなっているのでしょうか?
総務省の統計を見ると、全体として喫茶店(カフェ)件数は減少し続けています。
その中で資金力の大きいコーヒーチェーン店は、都市部を中心に微増しています。
こう考えると独自性というキーワードで戦えるような気がします。
しかしもっと手ごわい相手がいるのです。
それは店舗数の多いコンビニがコーヒーに参入し、かなりの勢いで伸びているので、コーヒーチェーン店の大手といえども厳しい状況と言えます。
では個人経営のカフェについてもう少し詳しくみてみましょう。
個人経営のカフェの現実
前述したようにカフェを開業するのは比較的簡単です。
しかし続けていくのが大変です。
なぜならカフェが開業しているその裏で、オープンから3年以内に閉店するカフェは7割以上となっているからです。
つまりカフェは開店するのは簡単だけど、続けていくのは難しいということです。
カフェが廃業してしまう4つの原因
事業計画が甘い
カフェ経営が難しい原因として、単価が低いことがあります。
コーヒー一杯が400円とすると20人来店したとして、400×20=8,000となり、一日8,000円の売上です。
仮に一か月25日営業すると、8,000円×25日=20万、一か月の売上は20万円となります。
この売上から、家賃、光熱費、材料費、消耗品費などを引くと・・・
こうして計算すると、カフェは薄利多売の商売で客数が増えないと厳しいということが良く分かりますね。
カフェは単価が低い割にゆっくりされるお客様が多いので必然的に回転率は悪くなり、客数を伸ばすにも限界があるのです。
そのように難しいカフェなのに、きちんとした事業計画を練って開業しないとどうなるでしょうか・・・
やはり1年以内に廃業してしまいますよね
初期投資をかけすぎている
飲食店を開業するのは物件取得費、家賃、内装工事費、設備や備品・・・
数多くの初期投資がかかります。
しかももしこだわりが強すぎればどうなるでしょうか。
さまざまな初期投資にコストをかけてしまうかもしれません。
しかしカフェはその初期投資の回収早くからしにくい構造となっています。
そうなるとかけた初期投資が重荷となり・・・3年後にそれが効いてくるのです!
コンセプトが定まっていない、もしくは弱い
さまざまなコンセプトを考えてカフェを始めます。
たとえば、こだわりのオーガニック、地元食材を活用、手づくりケーキ、和風・・・
聞いてみるとどこかで聞いたことがあります。
そうです。
似たようなコンセプトのカフェは数多くあるのです。
そのようなコンセプトが乱立しているカフェで、そのコンセプトが定まっていなかったり、弱かったりしたらどうなるでしょうか。
言わずもがなですね
顧客ターゲットが明確ではない
カフェや喫茶店を開業する際は、人通りの多さやターゲット層に合わせたエリアを厳選します。
しかし、立地条件が良いエリアほど似たようなスタイルの競合店が多いのはもちろん、集客しやすい一等地は資金力のある大手チェーン店が占めているケースがほとんどです。
最近ではコンビニでも手軽に本格的なコーヒーが手に入るほど、カフェを含む飲食店は飽和状態になっています。
恐らく開業する際にそこは確認するでしょう。
しかしその人通りの多いのが学生だったとします。
そしてお店のコンセプトが高級感でそのようなターゲット設定だったならば、その人通りの多さはどのように経営に反映してくるでしょうか。
恐らく多くの学生さんはファストフード店に行くに違いありません。
顧客ターゲットの明確化は重要なのです。
しかし絶望的にならないでください。
そんななかでも、長くお店を続けているカフェはたくさんあります。
では何が繫盛店にする秘訣なのでしょうか?
繫盛店にする秘訣はなんですか?
カフェは開業するハードルが低い、そして個人のカフェ開業の人気が高いということは、同時に競合店が多いことを意味します。
その中で、どこにでもあるようなカフェをオープンしても知名度がない新しいお店にはなかなかお客様は来てくれません。
ですから、まずは「他のカフェとの差別化」をすることが成功の繫盛店にする秘訣です。
これ重要です!
なぜ差別化が重要なのか
昨年の統計によると、現在日本全国にあるカフェは約7万店となっており、スタバやドトールをはじめとするチェーン店がいたるところに出店しています。
立地や知名度の点で比べると、個人のカフェはスタートから資金力の大きいチェーン店より不利な立場にいます。
こうした中、単に「おしゃれなカフェ」といった漠然としたイメージで開業すると、開店直後は珍しさでお客様が来てくれるかもしれません。
しかし先ほど書いたように、カフェは開業する人が数多くいます。
ですからすぐに他のたくさんのカフェの一つになってしまい、数か月後にはお客が全然来ないという事態になってしまうのです。
ですからお客様が「あのお店に行けば、こういう価値を提供してくれる」と印象に残るようなコンセプトを打ち出す必要があるのです。
そうです。
他店にはないカフェにオリジナリティをプラスすることで話題性が生れ、あなたならではのカラーがお客様を引き寄せる強みになるのです。
コンセプトを決める
お店を差別化するためにはまずそのお店の「コンセプト」を決めます。
そうしなければライバル店と差別化できません。
コンセプトとは「どんなカフェにするのか」ということで、来てほしいお客様の年齢層や家族構成、所得層など具体的にイメージします。
そのためには、商圏になる地域の人たちについて調べてみましょう。
例えば、オフィスが多い地区なら「サラリーマンの憩いの場」というコンセプトを決めるかもしれません。
サラリーマンは仕事の合間に休憩をしに来る人もいれば、昼食後にコーヒーだけ買いに来るかもしれません。
そのようなサラリーマンはコーヒー一杯だけであまり長居しないと想像できるので、客の回転は早くなりそうです。
そこから次のように考えられるかもしれません。
・回転が早いならコンパクトな席を多目にする
・職場で飲む人のためにテイクアウトをしやすい店の配置にする
・電源があれば休憩の合間に充電出来て便利かもしれない
・サラリーマンが読みそうな本や雑誌をそろえておこう
このようにコンセプトが決まればメニューや価格、内装なども自然と決まり、どこで差別化すればいいかもイメージできてきます。
ですからコンセプトはお店作りを始める前にしっかりと決めておきます。
コンセプトがはっきりしていると、立地条件が悪いお店でもお客様が集まって来るので儲けを出すことができるのです。
長く続けられるコンセプト・スタイルで営業する
お店を長く続けたいと思ったら、時間が経っても色あせないコンセプトを選びましょう。
コンセプトに流行を取り入れ過ぎると流行が過ぎた時にさびれた感じになってしまい、コンセプトを変えざるを得なくなります。
また自分にとっても無理のないスタイルにすれば息の長い営業ができます。
カフェで働くのが好きで毎日お店を開けていたい人もいれば、家族と過ごす時間をきちんと取りたい人もいます。
営業時間を短くして、限られた時間で利益を出すために工夫をすればよいのです。
これも強く打ち出せば、コンセプトの一つになります。
ぜひ自分のお店の強みは何か!これを考えましょう!
たとえば主婦が切り盛りするカフェの中には「地元産の野菜をふんだんに使ったランチ」や「子連れでも行けるカフェ」など、ほかのカフェにはない価値を打ち出して人気のカフェになっているお店もあります。
平日の昼間しか営業していなくても口コミでお客さんがやってきて、普通だったら難しい条件でもカフェを続けることができるのです。
もちろんこれには他の記事(いつか開業したい!!| 大好きな自分好みのカフェを開業したい! Part1)で書いたような集客のための様々な努力が不可欠です。
<2021年5月加筆/リンク設定済>
自分のカフェを繁盛店にする方法 まとめ
カフェを続けていくにはしっかりとしたコンセプトを決めて他のカフェとの差別化をすることが重要です。
それと同時に利益を少しでも多くするには、消耗品などの出費を減らすことも大切ですね。
木村容器のパッケージコンシェルジュは、魅力的なお店作りに役立つ様々な情報を提供しています。
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