目 次
今、あらためてガラス瓶が見直されているようです。
それはなぜなのでしょうか。
このコンテンツではそのガラス瓶が見直されている理由、そして歴史などを特集していきます。
ガラス瓶が見直されている理由とは?
世界ではコロナが収束に向かい始め、経済活動も回復してきました。
経済活動が活発になればなるほど、環境にも目を向けなければならない時代になってきました。
地球温暖化現象が進んでいる中、その原因と思われる温室効果ガスを削減していくことを世界で目指しています。
日本でも2050年までにCO2排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指しています。
そのために、2020年に施行されたレジ袋有料化もその取り組みの一つです。
詳しくはプラスチック資源循環促進法がついに施行!|レジ袋有料化との違いは?をご覧ください。
この環境配慮への取り組みはガラス瓶にも影響してきます。
ガラスびんは古くから市民に親しまれてきました、生産量はプラスチックの台頭で減少傾向にあります。
しかし温室効果ガスの削減という目標に向かった時に再度ガラスびんの持つ環境的価値を見直す機会となるのです。
ガラス瓶はどれだけ地球環境に貢献していくのでしょうか。
ガラス瓶によって温室効果ガスがどのくらい削減されるのかなど研究は以前からあります。
2001年から詳細に研究されているものもあり、その後もその効果は解析されてきています。
またガラス瓶の回収システム(リサイクル)はさまざまな形で進みつつあります。
そのようなガラス瓶の回収率等を踏まえたうえでデータの更新を行うことで、さらなる地域循環シナリオへの展開、
つまりガラス瓶を使った温室効果ガスの削減という道筋が見えてくるのです。
ガラス容器(びん)とはなんですか?
ガラス瓶とは、ガラスを材料として作られた容器のことです。
ガラス容器(びん)はどのような素材でできているのでしょうか。
ガラスの素材には幾つかありますが、ガラス容器に使用されているのはソーダ石灰ガラスという種類が一般的です。
現在は、省エネルギーやCO2の排出量削減のため、びんを細かく砕いた「カレット(ガラス屑)」が主原料になっています。
カレット使用量は現在では75%にもなるそうです。
ガラス容器の蓋には、金属、プラスチック、紙などの素材が利用されています。
多くの場合ビンの密着性を高める為にふたの裏側にはラバーや発泡性樹脂性シーリング材が塗布されています。
ガラス容器の歴史
ガラス容器がはじめて作られるようになったのは、紀元前1600年頃のエジプトです。
当時は熱して柔らかくなったガラスを型に巻きつけて成型するという方法で作られていました。
現在ガラスの成形法として知られている「吹きガラス技法」が考案されたのは、紀元前一世紀頃とされています。
ガラス瓶は古くから、酒類やビール、ワインなどの飲料用の容器として利用されてきました。
日本では弥生時代や飛鳥時代の遺跡からガラスの装飾品が見つかっていますが、容器としてのガラスが伝わったのは江戸時代後期と言われており、洋酒やビールの容器としてガラス瓶が輸入されました。
当初は貴重なものであったため、空きびんをリユースしていましたが、明治時代にビール瓶が国内生産されるようになり、その使用量が飛躍的に伸張しました。
その後大正・昭和になると、食品の特性に合わせた多種多様なガラス瓶が開発・製造されるようになり、自動製びん機により様々なガラス容器が量産されるようになりました。
ガラスびんは、容器として優れた特性がありますが、現在でもガラスの持つ高級感や重厚な質感からおしゃれなアイテムとしても人気があり、広く利用されています。
ガラス容器の長所・短所
では、ガラス容器の特性をいくつかみてみましょう。
ガラス容器の長所
- ガラス容器は透明なので、内容物を外から確認できるという利点があります。
- 空気や水分を透さず密封性が高いので、食品の長期保存に適しています。
- ガラスには鉄のような味やにおいがなく、容器に移ることもありません。そのため、食品本来の美味しさをそのまま味わうことができます。
- ガラスは高温になるにつれて柔らかくなるため、様々な形に加工したり着色することができます。
そのため、それぞれの用途に合わせた個性的で使いやすい容器を作ることが可能です。 - ガラスびんの主な原料は100%天然素材からできているので、安心して使うことができます。
- リユース・リサイクル性に優れています。
ガラス容器の短所
- 重くて割れやすいため、プラスチック容器などに比べて運搬や取り扱いの難しさがあります。
- 破損した時に人がけがをする危険性があります。
これらの短所をカバーするために、ガラスにコーティングをすることで、以前より軽く割れにくいガラス容器へと改良されています。例えば、リターナブルビール瓶にこの加工を施すことで、従来より20%ほどの軽量化が達成されています。 - 透明性が高いので、内容物が変色・酸化しやすいという難点があります。
ガラス瓶が使われている理由
何千年も前から使われているガラス容器が、現在まで広く使用されているのはどうしてでしょうか?
一つに、容器の中に空気や水分を通さないため食品を安全に守ることのできるからです。
また、保存性にも優れています。ガラスは内容物に溶け出さず腐食しないという性質を持っているので、液体を長期間保存することが可能です。
さらにガラス瓶は加工性に優れているので、ジャムや佃煮、インスタントコーヒーには広口のびん、飲料やドレッシングには細口のびんというように様々な用途に対応することができますし、様々な色に着色された高級感のある瓶に仕上げることもできます。
ガラスは天然素材であるため、環境ホルモンなどの有害な成分を含まず、哺乳びんにも用いられています。
そして、ガラスびんは繰り返し使えて原料としても再利用できるので、地球にやさしい食品容器ともいえます。
このようにガラス容器は、人にも地球にも優しい安心な容器として、今後さらに改良を重ねながら、わたしたちの生活の中で用いられていくことでしょう。