地球の気候温暖化現象ゆえにエコを気にする方が増えています。
エコを気にするような方からいうとまずやり玉にあげられるのはプラスチックです。
しかしプラスチックはこれまでわたしたちの生活を支えてきました。
このコンテンツではプラスチックに関して特集していきたいと思います。
プラスチックとはなんですか
今や包装容器のみならず、プラスチックは私たちの生活全体に欠かせないものとなっています。
海洋プラスチック問題が注目されるようになり、プラ削減に向き合うようになると改めて、プラスチックがいかに生活と密着しているかに気付きます。
私たちの快適な暮らしをプラスチックが支えてくれているのです。
例えば、ひとくちにプラスチック製品といっても、その種類は驚くほど多くいたるところに使われています。
食品包装容器の素材として使われているのは勿論、プラモデルやボールペン、コップやCDといった、一目でプラスチック製品とわかるものから、携帯電話やタブレット端末に代表されるIT機器や家電、自動車などの本体や部品、さらにはスペースシャトルのような宇宙産業にまで、プラスチックはあらゆるところで活躍しているのです。
このようにプラスチックは、種類ごとに違った性質や特徴があり、それらを利用してさまざまな用途に使われています。
例えば、プラスチックの優れた精密成形性や電気的絶縁性が、IT機器などの小型軽量化・高性能化に大きく貢献していますし、堅牢性や安定性という特性をいかして、自動車産業はもとより、スペースシャトルに代表される宇宙産業など、最先端の産業分野でも盛んに使われています。
さらに、柔軟性や衛生性という特性は、コンタクトレンズや義肢など、私たちの健康や命を守る、医療分野でも活躍しているのです。
プラスチック容器の作り方
プラスチック容器とはどのようにつくるのでしょうか。
「容器」とは商品を入れるもの、「包装」とは商品を包むもので、容器包装プラスチックとは、その中身を出したり、使ったりした後、不要になるプラスチック製の容器や包装のことをいいます。
さらにその容器は基本的にプラマークプラマークがついているものが対象です。
またプラマークがなくても商品を包装しているプラスチック製のものは対象になっています。
ではどのようにプラスチックはつくられるのでしょうか。
プラスチック成形工場では、いろいろな成形機械(加工機)を使って、合成樹脂(プラスチック)をさまざまな形のプラスチック製品に作り上げていきます。
では簡単にプラスチック製品がどのようにして作られるのか記載いたします。
圧縮成形
タイ焼きと同じ原理で、金型の中に樹脂を入れ、加熱・圧縮して成形する方法です。
熱硬化性樹脂を使用して椀、皿、キャップなどのような立体的な成形品を作るのに使われます。
射出成形
注射器で注射するように溶けた樹脂を、射出機から金型の中に射出・圧入して成形する方法です。
立体的な成形品を作るのに適し、密封容器や洗い容器、バケツ、コンテナー、パレットのような大型製品まで広く利用されます。
CD、DVDも特殊な射出成型機で作られているんですよ。
カレンダー成形
うどんやおそばを作るのと同じ原理で、加熱したロールの間で樹脂(プラスチック)を練りながら溶かし、何本ものロールの間を通して所定の厚さに引き伸ばして成形する方法です。
フィルム、シート、レザー、板などの広巾の平らな製品を作るのに使われます。
中空成形
押し出されたばかりのまだ軟らかいチューブを金型ではさみ、上部から空気を入れてふくらませ、型どおりに成形する方法です。
各種のボトル、ジョウロ、灯油かんなどを作るのに適します。
押し出し成形
ひき肉機のように、注入口から樹脂をシリンダーに入れ、加熱しながらスクリューを回して樹脂を前方に送ります。
樹脂(プラスチック)は送られながら練られ、溶けて口金から押し出されます。
この機械を押出機と呼びます。
口金の工夫で、フィルムやシート、あるいはチューブやパイプなどを作るのに適します。
熱成形
カレンダー法や押出成形法で予め作られたシートや板を加熱して軟らかくし、型の中の空気を吸いとって、大気圧で、型に押しつけて成形する方法で真空成形といいます。
卵パックやトレー、あるいは使い捨てのコップや豆腐ケースのような薄肉容器を作るのに利用されています。
真空成形で型の中の空気を吸いとる時、同時に上から圧縮空気を送って材料を金型に密着させる方法もあり、圧空成形といいます。
底の深い製品を作るのに適しています。
インフレーション成形
押出機から押し出されたチューブがまだ軟らかいうちに、口金から吹き込んだ空気でふくらませ、薄いフィルムを作ります。
ラップフィルムやポリ袋などのフィルムを作るのに適します。ふくらませて作るのでインフレーション成形と呼ばれます。
食品包装容器としてのプラスチック
食品包装資材にプラスチックが使用されるようになったのは、1938年のカローザスによるナイロン発明以降で、本格的に使用されるのは、1950 年代に入ってからです。
食品包装資材として使用されるようになったプラスチック材料には、ポリ塩化ビニル(PVC)、 塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレン(PE)、 ポリビニールアルコール(PVA)、ポリエステ ル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン (PS)、ナイロン(NY)、ポリプロピレン(PP)などがあり、現在ではさらに多岐にわたるプラスチック素材が使われています。
※これら食品容器プラスチック素材に関するの詳しい情報は当社コンテンツ:食品包装容器の歴史をご覧になってください。
食品包装容器がプラスチックである理由とその使い道
食品包装容器がプラスチックである理由
食品容器の素材にはさまざまなものが使用されていますが、その中でもプラスチックは非常に大きな割合を占めています。
なぜそれだけの割合を占めるようになったのでしょうか。
それは前述したように、プラスチックの特性、つまり堅牢制や安定性、柔軟性や衛生性、そして価格などが食品包装容器として必要とされている条件にマッチしていたからと思われます。
例えば、現在は食品容器ごと電子レンジなどで温めたり調理したりすることが行われます。その際にプラスチックの持つ耐熱性であったり、密封性やガスバリア性(空気や酸素を通さない性質)が生きてきます。
またプラスチックの透明な特性を持つ素材を食品容器として使用すれば中身がよく見えるので優れたパッケージ性やつぶれやすい果物などの中身の品質確認にもなります。
このようにプラスチックのさまざまな特性ゆえに、食品用包装容器としてプラスチックは活用されるようになっていったのです。
プラスチックの使い道
現在プラスチックはどのような分野で使われているのでしょうか。
日本プラスチック工業連盟にて公開している下記のプラスチック製品生産実績表をご覧ください。
これは公開されているものを木村容器にて独自に集計したものです。このようにプラスチックは幅広い分野で活用されているのです。
その中でも特に注目したいのは、食品用包装容器としての活用が14.4%ということです。
プラスチックの活用例の中でも非常に大きな割合が食品容器として使われていることが分かります。
この中には木村容器のお客さまも数多く使用されているプラスチックコップ・クリアカップと呼ばれているものがあります。
また2番目に活用されているのが「包装用フィルム・シート」としてプラスチックが数多く使用されています。
この中の一部として紙コップなどの紙容器の内側にラミネートとして貼るプラスチックが含まれています。
※紙コップについての詳しい情報は当社コンテンツ:もっと紙コップを使おう! 紙コップの種類と容量をご覧になってください。
この紙コップも木村容器の多くのお客さまが使用してくださっています。
※プラスチックコップ・クリアカップに関する詳細な情報は、当社コンテンツ:近代包装容器 プラスチックとはをご覧ください。
プラスチックの万能性ゆえの課題
このように現代においてプラスチックは私たちの生活に欠かせないものとなっております。
しかしこのプラスチックにも長い目で見ると弱点は多々あります。その一つがリサイクル性です。
現代のように多種多様なプラスチックが開発されることにより、そのリサイクル性の難しさに拍車をかけています。
日本におけるプラスチックのリサイクルの現状については、当社コンテンツ:プラスチックのリサイクル 日本の現状で特集しています。