包装資材/消耗材 業務用と家庭用の違い
ブラックタピオカが安く手に入ることで話題になった「業務〇ーパー」
なんだかお得な食材が多くありそうな名前です。
最近は、食材のみならず消耗品なども業務用の製品が手軽にネットや近所のスーパーで買えるようになってきました。
中にはコストコなどで食材以外に洗剤やペーパー類もまとめ買いしている方もいらっしゃいます。
しかし単価を計算してみると、近くのスーパーで買うのと変わらなかったということもあります。
ではわたしたちが一般的に使う家庭用の包装資材と業務用包装資材には何か違いがあるのでしょうか?
このコンテンツでは、ラップ・真空包装機・洗濯洗剤を例に出して比較してみたいと思います。
業務用ラップと家庭用ラップはどう違う?
ファミリーレストランでアルバイトをしていた遠い昔、ラップが300メートル巻きとかで重かったのを思い出します。
考えてみると家庭用のラップはほとんどが50~100mくらいです。
ということは、業務用ラップと家庭用ラップの違いは長さ(量)だけかというと、そうではなく様々な違いがあるようです。
具体的に、何がどのように違うのでしょうか?
違いその1:ラップを切る刃の位置
業務用ラップはラップの箱についている刃が、箱本体の下側に付いていて、ラップを持った手で下に力を加えるだけでスムーズにカットできるようになっています。
そのためたくさんのお皿に続けてラップをかける必要がある飲食店や仕出し店などは、効率的に仕事ができるわけです。
しかし使い方を間違えてお皿にラップをくっつけてから切ろうとすると、写真の鮭が勢い余って落っこちてしまうことがあります。(←わたしはたまにやってしまいます…)
ご注意ください。
ちなみに家庭用ラップは箱についている刃が、フタ部分に付いていて、しかもむき出しではないので、けがをする危険が少なく安全に使うことができます。
ラップを切る時は本体側をひねるとピリっと簡単に切れますが、これは業務用よりもラップの巻きが少なく軽いので苦にならない作業ですね。
違いその2:ラップの材質
家庭用のラップの多くにはポリ塩化ビニリデンが使われています。
ポリ塩化ビニリデンは、耐熱温度、酸素透過度、透湿度ともに優れ、食品の酸化・乾燥防止に適した素材です。
(電子レンジによる加熱の可否については当社コンテンツ『電子レンジで加熱できるプラスチック容器の見極め方|プラスチック素材』をご覧ください)
しかし短所もあり、一部が裂けるとピリーッとやぶれてしまいやすく、一度ラップ同士が張り付くとなかなか剥がせないという弱点があります。
(プラスチックの種類について詳しくは近代包装容器 プラスチックとはをご覧ください)
一方多くの業務用ラップに使われている材質は塩化ビニール樹脂です。
塩化ビニール樹脂は耐熱温度、酸素透過度、透湿度では家庭用ラップにいくらか劣りますが、伸びが良く強度が強いという特徴があります。
一か所が破けてもそれ以上裂けることはないので、異物混入を避けたいお店ではこちらの方が安心です。
またラップをかけた皿を重ねることもでき、ラップ同士がくっついても簡単に剥がして再利用できます。
飲食店などでは、サラダや漬物など先に用意してラップをかけてスタンバイする必要があるので、皿などを重ねておけることは重要ですよね。
また業務用のラップなら例えばランチタイムの忙しい時に、引っ付いたラップを剥がすのに時間をとられる、なんてことはありません。
これもまた業務用ラップのメリットですよね。
以上の結果から簡単に業務用ラップと家庭用ラップの比較してみると、箱の安全性は家庭用ラップが万人向けで優れていますが、作業効率や異物混入の観点では業務用ラップの方が優れていることが分かりました。
真空包装機|業務用と家庭用の違いは?
真空包装とは、プラスチックフィルムなどガスバリア性の優れた袋に食品などを入れ,袋の中の空気を吸引して真空状態にした包装のことです。
この真空包装は空気を遮断することにより長時間食品の鮮度を保つことができるというメリットがあります。
これにより、食材のロスを大幅に減らすことができるので、飲食店の強い味方です。
原材料を安全に長期保存できるというのは、飲食店経営者によってはやはり魅力的なことで、最近は業務用真空パック機のリースやレンタルも人気のようです。
また、食材と調味液を一緒にパックすると食材の芯まで味が浸透するので、風味や旨味を逃さず均一に調理でき、しかも仕込み時間の短縮にもつながるのでとても便利な道具です。
例えばスーパーなどで売られているベーコンや総菜なども、真空パックになっているものがたくさんありますよね。
このように真空包装は食品業界ではなくてはならない存在になっています。
この真空包装機、最近では時短・節約などを考える主婦が家庭用に購入することも増えているようです。
今「欲しいなぁ~あったら良いなぁ~」と思われた方!
業務用の真空包装機と家庭用の真空包装機の違いを解説いたしましょう!
やはり業務用真空包装機と家庭用の真空包装機とでは性能に大きな違いがあります。
気になる業務用の真空包装機と家庭用の真空包装機の違いを下の表にまとめてみました。
業務用真空 | 家庭用真空 | |
---|---|---|
真空度 | 99% | 40%程度 |
真空性能 | 食材の中の空気まで抜ける | 袋の中の空気が抜ける |
液体 | OK | 不可 |
連続運転 | 可能 | 不可 |
保存 | 冷凍臭なく長期的に可能 | 冷凍臭・冷凍焼けの可能性あり |
いかがでしょうか。
やはり業務用真空包装機と家庭用の真空包装機は違いますね。
真空度はやはり業務用が抜群に優れています。
家庭用のほうは、例えるなら富士山の頂上よりもう少し空気が少ない、というレベルだそうです。
わたしはジップロックなどで味付け玉子を作ることがありますが、最後にストローを差し込んで空気を吸いだすとかなりぴっちりと卵が汁に浸かった状態になります。
しかし!ストローで吸う時に、空気と一緒に汁まで吸いあげてしまうとしょっぱい汁でむせてしまい大変なことになります。
家庭用の真空包装機のほとんどが液体不可になっている理由もこれと同じことで、機械が液体も全部吸い上げてしまうからなんです。
しかし家庭用の真空包装機のメリットは、サイズがコンパクトで安価なものもあるという点です。
おかずの作り置きを少し保存できたり、コス〇コで買った鮭の切り身を真空包装して一か月くらい保存、こんな使い方なら家庭用の真空包装機で十分ですよね。
用途に従って賢く使い分けることができます。
家庭用洗濯洗剤と業務用洗濯洗剤に違いはあるの?
最後に、ランドリー用の洗剤に注目です。
プロのお洗濯は、そもそも洗濯機のパワーや洗濯物の量が一般家庭とは全く違いますが、使っている洗剤の性質も異なるようです。
違いその1:洗浄力と安全性
汚れを落とす主成分である界面活性剤は、業務用洗濯洗剤のほうが強力なものを使用しています。
家庭用洗濯洗剤の界面活性剤は洗浄パワーで劣るぶん、配合量が多くなっています。
また水中や汚れに含まれるミネラルを除去するキレート剤という薬剤も、業務用洗濯洗剤のほうが強力です。
業務用洗濯洗剤のアルカリ度は弱~強アルカリ性なのに対し、家庭用洗濯洗剤は弱アルカリか中性に限られています。
これは安全面に配慮しているためです。
なぜなら衣類の皮脂汚れにはアルカリ洗浄剤が効くのですが、アルカリはたんぱく質を溶かすので皮膚に付くと皮膚の中のたんぱく質を溶かして、やけどのような炎症を引き起こす危険があるからです。
強力な洗濯洗剤はそれだけ人体に危険があるということですね。
違いその2:溶けやすさ
プロのお洗濯はお湯を使うことも多いので、溶けやすさはあまり重視されませんが、家庭用の粉洗濯洗剤では溶けやすさに力が入れられてます。
そういえば、ズボラなわたしは洗濯洗剤を直接洗濯物の上に投入したため、脱水した洗濯物の中で粉洗濯洗剤が固まっていた…なんてことが昔はありました。
最近の改良に感謝ですね!
業務用と家庭用の違い まとめ
包装資材と消耗材の業務用と家庭用商品の違いの例として、ラップ、真空包装機、洗濯洗剤、それぞれにどんな違いがあるか考えてきました。
全体としていえるのは、業務用は効率や性能重視、家庭用は安全重視で作られていることが分かりました。
それぞれの長所短所を理解して、TPOに合わせて安全に使い分けをしていきたいですね!
木村容器は、業務用商品はもちろん、家庭用の商品も扱っております。
気になる商品やコスト削減したい分野などをがありましたら、木村容器のパッケージコンシェルジュにぜひご相談ください。
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