プラスチックのリサイクル
最近、プラスチックに関するニュースを目にすることが多くなりましたね。
米国のスターバックスが2020年までにプラスチック製ストローを廃止すると発表したのに続き、日本でもガスト、デニーズ、ケンタッキー・フライド・チキンが新たに中止を決めました。さらに、家具大手IKEAでは、ストローや保存袋などの使い捨てプラスチック製品の販売を、2020年までにやめると発表しました。
こうした背景には、海洋環境や人体への有害な影響が懸念されていることがあります。
使い捨てプラスチックが世界的に深刻な問題になっているのです。
プラスチックは私たちの生活と切っても切れないものですから、使い終わったプラスチックがどうなっているのか気になりますよね。
そこで、現在の日本のリサイクルがどうなっているのか、特集してみたいと思います。
日本におけるリサイクルの仕組み
戦後の経済発展で生活が豊かになると同時にゴミもどんどん増え続け、日本の埋め立て地は限界になりました。
これ、ニュースで見た!という記憶を持っている人もいるかと思います。
そして平成7年当時、市町村の処分場があと8.5年で一杯になるという状態でした。
これは今から11年(※現在:平成18年12月末)程前のことです。
そこで、当時廃棄物の6割を占めていた容器包装の廃棄物を埋め立てずにリサイクル制度が作られました。
これが「容器包装リサイクル法」という法律です。
略して「容リ法」と言われています。
どこかで聞いたことありましたか?
・容器包装とは
容器包装とは、商品を入れたり包んだりしているもので、中身を使った後不要になるものです。
例えばガラス瓶、紙容器包装、PETボトル、プラスチック容器などがあります。
それまでもお金になるアルミやスチールの缶、段ボールなどの容器包装はリサイクルされていました。
しかし容リ法ができてからは、それ以外の容器もリサイクルすることが日本では義務付けられたのです。
容器のリサイクルの流れ
容器包装のリサイクルは、いろいろな人の協力で成り立っています。
リサイクルの流れをプラスチック容器を例にして見てみましょう。
①わたしたちが、プラスチック容器に入ったお弁当を食べます。市町村のルールに従ってプラスチックごみの日にゴミに出します。
②市町村の委託を受けたトラックが回収します。リサイクル工場でリサイクルできない異物を取り除き、押し固めて保管します
③リサイクル工場は、押し固めたプラスチックからさらに異物を取り除いた後、小さく砕いて洗い乾かし細かい粒の形に固めます。
④パレットを作る工場が粒を溶かしプレスして、パレットの形に成形して販売します。
おおまかにこんな流れになります。
今となっては自然に行っていますがリサイクルって選別したり洗ったり、意外と人手と手間がかかっていますよね。
わたしが住んでいる市区町村はゴミ袋が有料で、Mの袋だと一枚40円、Sに収まれば一枚20円です。
いつもSの袋で終わらそうとしてSを買ってきますが、週に一回のプラスチックごみの日は毎回詰め込むのに苦労しています。
それだけ容器包装のプラスチックが多いってことですね。
玉子のパックがくせ者で、押し込むと袋が裂けたりしてがっかりです。
ちなみに玉子のパックはペットボトルがリサイクルされたものだそうです。
容リ法によって変わったこと
まずゴミの排出量が減少しています。
ゴミが減った理由の一つは、より多くのゴミがリサイクルされていることにあります。
容器包装リサイクル協会によると、一般廃棄物のリサイクル率は、平成7年度に9.8%であったものが、平成28年度には20.3%と大幅に増えています。
プラスチック容器だけを見ると、収集量は10万トンから71万トンへと大きく増加しました。
これはすごいことですよね。
(出展:容リ法の成果と課題)
収集量が増えたということは、リサイクルについての理解が広く浸透するようになったことの表れです。
日本人がまじめだから、ということもありますが、とても良いことです。
例えば以前は当たり前のように使っていたスーパーのレジ袋が有料になったり、マイバッグが推進されています。
何かの景品でエコバックをもらうとすごくうれしいのは私だけでしょうか・・・
さらにシャンプーや洗剤など詰め替え容器が増えましたね。
また、ペットボトルや瓶のラベルがはがしやすくなりました。
分別しやすくするために企業がいろいろな取組をしていることが分かります。
このように日本では社会全体の取り組みによって成果が上がっているのです。
右側の画像は環境省が発表した資料です。
これを見ると、10年ちょっと前にごみの問題が発生していた日本が非常に頑張った結果が分かります。
この数字自体も8年前のものですから、もっと日本は頑張っていると思われます。
しかしその反面、現在生じている海洋に流れ出ているプラスチックごみの原因は何なのかということも分かります。
残念ながらお隣の国中国や東南アジア諸国であるということです。。。。。
気を取り直して!!
そうはいっても、日本には、まだまだたくさんのプラスチックがリサイクルされずにゴミになっています。
私たちに協力できることはあるのでしょうか。
わたしたちがもっと協力できること
もうすでに皆さんは非常に頑張っていると思います。
しかしわたしたちは人間!完璧はありません。
ですから、さらに注意して資源ごみとそうでないものをしっかり分けてゴミに出すことができます。
ゴミ収集車に「捨てればごみ、分ければ資源」と標語が貼ってありました。
まったくもってその通りですよね!
さて、資源ゴミですが、瓶でもペットボトルでもさっとゆすいで汚れを落とします。
つぶせるものはつぶしましょう。
そうすると運びやすくなります。
また、水でゆすいでも汚れが落ちないものはリサイクル以外のゴミで出しましょう。
ご存知だと思いますが、プラスチックの中にはリサイクルできるものとそうではないものがあります。
これを見分けるために付いているのが「プラマーク」です。
迷ったら容器にプラマークがついているか否かを確認することができます。
また容器包装プラスチックをリサイクルしよう!と思って迷うのが、どこまで汚れを落とせばいいのか、ということではないでしょうか。
真面目な日本人ですから、きっと使った容器包装プラスチックを洗っている方は多いと思います。
お弁当容器など、油やソースでべとべとのものはどうしたらいいのでしょう?
どこまで洗えば良いのでしょうか?
日本容器包装リサイクル協会によると、水洗いや簡単なふき取りで落ちる程度のものを出してください、とのことです。
ということは、水でゆすいでも油でべとべとの容器は資源ごみで出さない方が良いということですね。
そのような細かなところは市区町村によって異なりますので、住んでいるところのルールをよく理解することが大切ですね!
最近ストローがなくなったら、レストランではコップに口紅が付いて洗うの大変だろうなあ、などと心配になります。
また小さな子供がいる人はどうするんだろう・・・・
レストランに子供を連れて行ったときに、ストローで子供に飲ませたことを思い出します。
世界の流れはプラスチックごみを減らしていこう!というものです。
いくら日本はリサイクルが進んでいる!といっても、海洋にプラスチックごみを出していないわけではありません。
ですからプラスチックごみを減らしていく努力はしなければなりません!
きっとプラスチックではないストローができるのでは?
しかし無くしたはいいが代替品は・・・・・
まだまだストローの代替品は非常に高いのが現実です。
プラスチック材料メーカーさまは材料が非常に高い!ということをおっしゃっています。
その点でも本当に減らしていきたいのなら、国の援助が必要な状況のようです。
あちらを立てれば、こちらが立たず・・・もどかしいものですね。