テイクアウトを始める時に考えること
ちょっと前まで飲食は落ち着いた店内でゆったりと楽しむというスタイルが一般的でしたが、今はテイクアウトスタイルが人気を集めています。
それは人々が慌しい生活を送っているからか、また忙しい生活がゆえに時間の有効活用を考え、効率を重視するになっているからなのか、本当のところは分かりませんが、手軽に購入できるようなさまざまな飲食店でテイクアウトスタイルが受けているのです。
こうした傾向の高まりには、前述したように多忙な現代人が増えていることが理由の1つと考えられます。
さらに以前は自宅で料理をする「内食」か飲食店で食事をする「外食」という選択肢しかなかった家庭の食生活に、中食というお弁当や総菜などをテイクアウトして、家庭や職場で食べる「中食」の市場規模の急拡大が原因とも言われています。
その一方で、それまで繁盛していた店がテイクアウトを取り入れたために、不振に陥ってしまったという実例もあり、テイクアウト全てが良いわけではありません。
そこで今回は、急拡大している中食の中でもテイクアウトサービスに焦点をあてて、サービスを始める際のポイントについてご紹介していきます。
なぜテイクアウトサービスを始めるの?
そもそも、なぜテイクアウトを含む中食の市場規模は伸びているのでしょうか。
まず、日本人家庭の核家族化や単身者世帯、2人世帯が増えていることがあげられます。さらに、女性の社会進出が進み、中食を利用する機会が増えています。つまり、家に帰って料理をするのではなく、帰宅前にテイクアウトしたメニューで食事をまかなう人が増えているのです。
また1食あたりの食事量が少ない高齢者人口の増加により、手間がかからず高齢者にとっては危険性の高い火力を使わず、何よりも経済性の高い中食利用が高まっていることなどが考えられています。
それらの理由から考えると今後も単身者や2人世帯・高齢者は増加していくと考えられており、それに纏わり中食需要もさらに増大していくと考えられています。
また近い将来確実に実施されると言われている消費税10%への引き上げとともに導入される軽減税率もまた、テイクアウトを含む中食を後押しする要素のひとつと言えます。テイクアウトは軽減税率8%の対象になるからです。
さらにテイクアウトにより客席の「回転数」があがり、それが売上増加につながる場合もあります。テイクアウトは、小さな店舗でも席を使用することはないので座席数が少ない店舗でも確実に売り上げを伸ばすことができるのです。
そのようにして、飲食店が家庭では味わえない素晴らしい料理をテイクアウトで提供していくことが、飲食店にとって新たなビジネスチャンスになると考えても不思議ではないのです。
テイクアウトサービス開始の3つのステップ
<その1>テイクアウトには特別な許可や申請は必要?!
まず、テイクアウトサービスを始める上での許可や申請はあるのでしょうか?
飲食店の場合は飲食店営業許可書を申請しているはずなので、原則として他の申請は必要ありません。(新規でお店を始め同時にテイクアウトを始めるのは別です)もし不安がある場合は、管轄の保健所に相談するとよいかもしれません。
<その2>テイクアウト向きの業態やメニュー
次にテイクアウトに向いている業態やメニューについて考えてみましょう。
当然ながら、容器に入れて持ち運びやすいメニューであることが重要です。
例えば、いくら看板メニューだとしてもラーメンやトン汁など麺類や汁物よりも、丼ものなどのほうが運びやすい。また、生ものより焼いたり揚げたり炒めているものがテイクアウトには向いています。
さらにテイクアウトはお客さまが食べるまでの時間が分からないため、生ものは避けたほうが賢明です。
<その3>テイクアウトを始める上での注意事項
次にテイクアウトを始める上での注意事項があったら確認しておきたいと思います。
まずは、食品容器や袋などの包装資材の準備、コストを見込んだ事業計画が必要となります。さらにこれらの包装資材の在庫置場も必要となるので事前に検討しておきたいところです。なぜなら業務用包装資材はスーパーなどで買うよりお安く買えますが、ほとんどの場合はケース単位での購入になるからだ。
そして、テイクアウト客が来店した際のオペレーションも考えておく必要もあります。
テイクアウト客の注文をどこで受けて、いつ会計をしどこで渡すのか。また、調理の順番はどのように決めるかなど、あらかじめ決めておく点は多々あります。
なぜならば、テイクアウトの中心となるランチタイムなどでお客さまをお待たせすることは厳禁だからです。
もし今一つイメージが浮かばない場合は、他店のテイクアウトサービスを実際に利用してみるのもいいでしょう。
さらにテイクアウトで考えるべきポイント
前述したようにテイクアウトは売り上げアップに有効ですが、ただ導入すれば良いというものでもありません。
やみくもにテイクアウトを始めた結果、売り上げアップどころか閉店を招いてしまった事例もあります。
だからこそ、以下の3つの点を考えたうえで導入を検討していきましょう。
テイクアウト容器の準備は十分にできるか
テイクアウトには持ち帰るのですから、商品を入れる食品用包装資材、つまりフードパックが必要です。
どんなことを考えれば良いのでしょうか。
ランチタイムに商品を購入し、近くのオフィスへと持ち帰って食べるお客さまもいれば、少し離れた自宅まで持ち帰るお客さまもいます。その場合、その容器はスープやカレーなど、汁物が漏れることがない形状なのか、少しの衝撃で中身がこぼれたり、壊れてしまうパッケージではないのかを十分に確認したうえで準備しましょう。
せっかく買ったのに、開けてみたらひどい状態に……となれば、お客さまはもう帰ってこないのです。
必要な商品の数を準備できるのか
テイクアウトを導入した際には、販売する商品の数も検討する必要があります。
欲張って作り過ぎてしまえば商品が売れ残り、慎重になり過ぎて少なめに準備すれば多くのお客様が購入できません。その日の天候や来店者数の傾向から判断し、適切な数の商品を準備することを心がける必要があります。
イートインとのバランスがとれるのか
テイクアウトを導入する場合、イートインと同時に対応できるかどうかも注意しなければいけません。
どちらかに集中したあまり、片方がおざなりになってしまえばお客様へ満足度の高いサービスを提供することが難しくなります。
特に人気店のランチタイムともなれば、イートインとテイクアウト、ともに混雑することが予想されます。
そのためにも、イートインとのバランスを上手く取り、テイクアウト商品を滞りなくお客様に提供することを意識して取り組むことが重要だといえます。
木村容器のパッケージコンシェルジュからのアドバイス!
まずは準備を徹底することから
テイクアウトそのものが売り上げアップにつながるのと同時に、テイクアウトをきっかけにお客さまが店舗に来店することも大いに考えられます。
だからこそ、テイクアウトを十分な準備と検討をしたうえで導入したいものです。
それらも木村容器のパッケージコンシェルジュにご相談ください。
経験のあるコンシェルジュがきっとよい提案をしてくれるはずです。