ガラス容器(びん)とは
このコンテンツでは、近代容器のガラス容器(びん)について書いてみたいと思います。
ガラスびんとは、ガラスを材料として作られた容器のことです。
ガラス容器(びん)はどのような素材でできているのでしょうか。
ガラスの素材には幾つかありますが、ガラス容器に使用されているのはソーダ石灰ガラスという種類の素材です。
ガラス容器の蓋には、金属、プラスチック、紙などの素材が利用されており、多くの場合ビンの密着性を高める為にふたの裏側にはラバーや発泡性樹脂性シーリング材が塗布されています。
ガラス容器の歴史
ガラス容器がはじめて作られるようになったのは、紀元前1600年頃のエジプトです。
当時は熱して柔らかくなったガラスを型に巻きつけて成型するという方法で作られていました。
現在ガラスの成形法として知られている「吹きガラス技法」が考案されたのは、紀元前一世紀頃とされています。
ガラス瓶は古くから、酒類やビール、ワインなどの飲料用の容器として利用されてきました。
日本では弥生時代や飛鳥時代の遺跡からガラスの装飾品が見つかっていますが、容器としてのガラスが伝わったのは江戸時代後期と言われており、洋酒やビールの容器としてガラス瓶が輸入されました。
当初は貴重なものであったため、空きびんをリユースしていましたが、明治時代にビール瓶が国内生産されるようになり、その使用量が飛躍的に伸張しました。
その後大正・昭和になると、食品の特性に合わせた多種多様なガラス瓶が開発・製造されるようになり、自動製びん機により様々なガラス容器が量産されるようになりました。
ガラスびんは、容器として優れた特性がありますが、現在でもガラスの持つ高級感や重厚な質感からおしゃれなアイテムとしても人気があり、広く利用されています。
では、ガラス容器の特性をいくつかみてみましょう。
ガラス容器 6つの長所 |
・ガラス容器は透明なので、内容物を外から確認できるという利点があります。 ・空気や水分を透さず密封性が高いので、食品の長期保存に適しています。 ・ガラスには鉄のような味やにおいがなく、容器に移ることもありません。そのため、食品本来の美味しさをそのまま味わうことができます。 ・ガラスは高温になるにつれて柔らかくなるため、様々な形に加工したり着色することができます。そのため、それぞれの用途に合わせた個性的で使いやすい容器を作ることが可能です。 ・ガラスびんの主な原料は100%天然素材からできているので、安心して使うことができます。 ・リサイクル性に優れています。 |
---|---|
ガラス容器 3つの短所 |
・重くて割れやすいため、プラスチック容器などに比べて運搬や取り扱いの難しさがあります。 ・透明性が高いので、内容物が変色・酸化しやすいという難点があります。 ・破損した時に人がけがをする危険性があります。 これらの短所をカバーするために、ガラスの表面にホットコーティングと呼ばれる加工をすることで、以前より軽く割れにくいガラス容器へと改良されています。例えば、ビール瓶にこの加工を施すことで、従来のびんより20%ほどの軽量化が達成されています。 |
容器包装がガラスである理由とどのように使われているか
何千年も前から使われているガラス容器が、現在まで広く使用されているのはどうしてでしょうか?
一つに、容器の中に空気や水分を通さないため食品を安全に守ることのできるからです。
また、保存性にも優れています。ガラスは内容物に溶け出さず腐食しないという性質を持っているので、液体を長期間保存することが可能です。
またガラス瓶は加工性に優れているので、ジャムや佃煮、インスタントコーヒーには広口のびん、飲料やドレッシングには細口のびんというように様々な用途に対応することができますし、様々な色に着色された高級感のあるびんに仕上げることもできます。
ガラスは天然素材であるため、環境ホルモンなどの有害な成分をまったく含まず、哺乳びんにも用いられています。そして、ガラスびんは繰り返し使えて原料としても再利用できるので、地球にやさしい食品容器ともいえます。
このようにガラス容器は、人にも地球にも優しい安心な容器として、今後さらに改良を重ねながら、わたしたちの生活の中で用いられていくことでしょう。