どうなる!?プラスチック問題! どうする!?日本!
この2年ほどの間に、地球温暖化と並ぶ世界的な問題として急浮上したのが、プラスチックの海洋ゴミ問題です。
スターバックスやマクドナルドなどが、プラスチックストローやプラスチック製品の廃止を目指すと発表したことは世界中で大きな話題となりましたね。
日本でもずいぶん前からPETボトルのリサイクルやレジ袋の有料化など、石油由来のプラスチックの削減に取り組んできました。
しかしわたしたちの生活に欠かせないプラスチックを減らすことは可能なのでしょうか?
このコンテンツでは、世界が抱える地球の温暖化とプラスチック問題の現状と、日本において一つの方向性として注目されているバイオマスプラスチックについて考察します。
世界が抱えている問題
地球温暖化
ここ数年私たちが経験している夏の猛暑や酷暑は、温暖化を実感できる分かりやすい一例と言えます。
しかし、ただ暑くなるだけが地球温暖化現象の問題点ではありません。
2019年10月には、短期間でスーパー台風と化した台風19号が、各地で土砂災害や浸水被害をもたらしました。
2018年は関西空港など大阪湾を中心に台風21号による大きな被害がありました。
台風は昔からあるものですが、これほど猛烈で大型化させているのは地球温暖化現象の影響と言われています。
つまりあの夏の暑さとスーパー台風の脅威が、特殊なことではなく、例年のことになろうとしているのです。
このような状況はもう何十年も前から予想されていましたが、地球温暖化現象の原因となっているといわれるCO2などの温室効果ガスを削減する取り組みは、この地球温暖化現象のスピードに全く追いついておらず、地球温暖化は悪化の一途をたどっているのです。
そのCO2問題に加えて、突如浮上してきたのが海洋プラスチック問題です。
海洋プラスチックと地球温暖化現象の関係
ウミガメの鼻からストローを抜く痛々しい映像をニュースなどで見たことがあると思います。
あのような目に見える大きな海洋プラスチックゴミだけでなく、海には分解されたプラスチック、つまりマイクロプラスチックの問題もあります。
そのマイクロプラスチックの問題とは、微小化したプラスチックに有害物質が吸着し、それを魚が食べ、その魚を人間が食べることが、近い将来人間の健康被害を引き起こすのではないかと危惧されているのです。
ではこの海洋プラスチック問題は温暖化とどのような関連があるのでしょうか?
プラスチックの主原料は石油であり、プラスチックの生産量が増えれば石油消費が増大し、その結果CO2の排出量が増大するという関係があります。
しかもこのままのペースでいくと2050年には石油消費量におけるプラスチック生産量が占める割合が20%に達すると予測されています。
ですから海洋生物のためにも地球温暖化現象にストップをかけるためにも、石油由来のプラスチック問題に早急に取り組む必要があるのです。
では、石油由来のプラスチックを排除するという解決方法は現実的なのでしょうか。
暮らしに根付くプラスチック
身近にあり過ぎて忘れがちですが、私たちの暮らしはプラスチックにかなりの部分支えられています。
ランチを買おうとコンビニに行けば、お惣菜も弁当もプラスチックのケースに入っています。
テイクアウトのお店ではほとんどがプラスチックの容器を使用しています。
食料品も洗剤も文房具も、ほどんどがプラスチックの袋や容器で包装されるようになった今、もしプラスチックの包装が使えなかったらどうなるでしょう。
プラスチックが無くなったら、テイクアウトショップはどうする??
もしプラスチックが無かったら…お惣菜やお弁当を紙製のパックに入れますか?
左の写真のように、ハンバーガーとポテトのランチであれば入れてから数十分は大丈夫かもしれませんが、
テイクアウトで人気のカレーなどは油と色素が染み出るのは必須です。
わたしたちの食生活はかなり制限され、食べることが楽しみなわたしなどは、かなりのストレスになりそうです。
またプラスチックに代わる容器や包装として紙製の容器に変更したり、ビニール製の手提げ袋を紙箱や紙袋に変更すると、かなりコスト上がることになります。
なにしろプラスチック容器は安くて軽いのです。
さらにかさばる紙製品は輸送コストも高いんです。
保温やテイクアウトの安全などを考えると、紙製ではなく丈夫で衛生的なステンレス製容器が理想かもしれませんが、こうなったらもうテイクアウトではなくお弁当です。
ではどのように解決していったら良いのでしょうか?
プラスチック削減問題、どう解決していったら良いのか?
プラスチック問題に取り組むことは、地球温暖化現象の原因の一つとされるCO2の削減に取り組むことでもあります。
プラスチックを無くすに越したことはありませんが、前述した通りプラスチックを今の私たちの暮らしから完全排除するのは難しいのが現状です。
そこで現在バイオマスプラスチックの利用が注目されています。
バイオマスプラスチックとは、生物資源(バイオマス)で作られたプラスチックのことです。
バイオマスプラスチックについては以前のコンテンツバイオマスプラスチックの正体とその歴史、知って得する バイオマスプラスチックとは何ですかをご覧ください。
しかしこのバイオマスプラスチックも、一定の環境以外では分解が進まずゴミとして残ってしまうので、プラスチック問題の解決策になる!とは言い切れないのが現状です。
しかし!日本においてはプラスチック問題とても有効な解決策になるかもしれないのです。
それはなぜなのでしょうか?!
日本のごみは燃やすという文化
バイオマスプラスチックであれば何でも自然に還るのではないかと思われがちですが、生分解性のあるプラスチックでも、ただ海水に浸かっただけでは分解されず、マイクロプラスチックになってしまいます。
また自然由来のバイオマスプラスチックもある特定の土壌環境があって初めて分解を始めるものです。
そこらへんに埋めておけば分解されて自然に帰るわけではありません。
特定の温度管理をしてはじめて自然に還れるのです。
しかし、バイオマスプラスチックを堆肥化できる処理場が整っていないのが今の世界の現状です。
しかし日本では「脱プラスチック」から「新プラスチック」へのコンテンツで触れた通り、ゴミを埋めている世界の国々と異なりゴミを比較的安全に燃やし、サーマルリサイクルする設備が整っています。
ですからこの日本においては、すでに持っている高温焼却設備を活用して堆肥化できないバイオマスプラスチックを焼却するというのは現実的な解決策といえるのです。
石油由来のプラスチックではなく、バイオマスプラスチックを活用するなら、CO2は削減できます。
すでに大気中に増えている二酸化炭素も、バイオマスプラスチックの原料となる植物が吸収してくれて減らすことになりますし、燃やしたとしても発生するCO2は石油由来のものより少なくなります。
このような理由で、現在バイオマスプラスチックに切り替えているお店はたくさんあります。
しかしバイオマスプラによってCO2を削減するためには、消費者一人一人もプラスチックをきちんと分別してゴミに出さなくてはいけません。
いくらバイオマスプラだとしても、ポイ捨てしたなら海へとたどり着いたら海洋ゴミとなってしまうからです。
わたしたちがバイオマスプラスチックを使った商品を積極的に選ぶことに加えて、バイオマスプラスチックをきちんと分別して捨てることも大切なエコ活動になり、地球温暖化現象に歯止めをかけることに、貢献できるのかもしれません。
まとめ
地球温暖化現象もプラスチックの海洋ゴミ問題も、通り一遍の対策では解決に至らない環境問題ですが、日本が示す1つの方向性は「埋める」ではなく「燃やす」というものでした。
そこで有効なのが植物由来のバイオマスプラスチックです。
木村容器では、テイクアウト容器をはじめ様々なバイオマスプラの製品を扱っております。
環境に優しいお店作りをお考えの方は是非一度木村容器のパッケージコンシェルジュにご相談ください。
とくにレジ袋有料化が迫ってる今に、バイオマスプラスチックのレジ袋に変更を考えられるお客さまも数多くいらっしゃいます。
そのようなご相談にも木村容器のパッケージコンシェルジュはのりますので、何なりとご相談くださいませ。