紙おしぼり-どう選ぶ?
世界と比較すると日本は清潔に対する意識が高い国と言えます。
食器や調理器具が清潔であることはもちろんですが、自分の手がキレイな状態で食事をすることも潜在的に願っています。
幼稚園から手洗いを徹底して教わってきているからかもしれません。
お金を払ってお店で食べるときはなおさらです。
安くて美味しくても、清潔に食べられなければ足が遠のきがちになるでしょう。
このような日本人の清潔意識の高さは、おしぼりが日本固有の文化として根付いた一因と言えるかもしれません。
おしぼりは、奈良・平安時代に始まったと言われています。
それは日本独自のお客様に対するおもてなしをするという文化に基づいたものでした。
そのおしぼりを使ったおもてなし文化に変化が生じたのは、昭和48年(1973年)以降です。
それまで布だったおしぼりに、紙おしぼりが加わったのです。
このお客様におしぼりを出すという文化は、世界でも独自のものです。
コストがかかるのに、日本の飲食店はあえておしぼりを提供するということを行い続けてきたのです。
このように日本にはおしぼりを提供するという文化が根付いていますので、飲食店を開業または新装開店する予定であれば、紙おしぼりを置こうとしするオーナーも数多くいらっしゃいます。
しかし問題はその先です。
「おしぼり」と一言で言っても様々あります。
紙おしぼりだけでも種類が数多くありますから、紙おしぼりを提供することは決めていても、どのような紙おしぼりを選ぶかで悩んでしまうのです。
おしぼりは「目的から考えて選ぶ」という思考の型を以前オススメしましたが(詳しくはおしぼりの種類と日本のおもてなしをご覧ください)今回はもう少し掘り下げて、紙おしぼりの選び方を特集したいと思います。
おしぼりが人に与える印象を考える
前述したように紙おしぼりには多くの種類がありますので、数多くある紙おしぼりを選ぶうえで大切なのは、その紙おしぼりでどのような印象を与えたいと思っているかを考えます。
つまり提供する目的を考えるということです。
このように「目的から考える」ということは、お店で紙おしぼりを提供する目的がハッキリしていなければいけません。
ほとんどのお店の最終目的は、お客様から「また行きたい店だ!」と思ってもらい、実際にリピーターとして定着してもらい、結果売り上げを上げることがゴールです。
その目的を果たすためにはまずお客様に与える印象が大切です。
自分のお店にどんな印象を持ってもらいたいですか?
「安い・早い・美味い」なのか、「リラックス・落ち着ける」なのか、はたまた「ゴージャス・高級感」という雰囲気でしょうか?
自分のお店のコンセプトとターゲット層を明確にしておくことは重要です。
次に、紙おしぼり自体が与える印象を把握しておきましょう。
紙おしぼりに対する一般的なメリットとしては、「使い捨てだから清潔」「いつも新品だから安心感がある」「手軽」「便利」という良い点があります。
さらにデメリットとしては「安っぽい印象」「すぐ破れる」「手触りが悪い」などのマイナス面もあります。
このような紙おしぼりのイメージと、自分のお店が与えたい店舗イメージとのすり合わせをするのです。
それによって、少し高級感のある紙おしぼりを選ぶのか、中間くらいの価格の紙おしぼりなのか、それとも安い紙おしぼりを使用するのか選択することができます。
お店のコンセプトとターゲットにマッチした紙おしぼりを選ぶ
自分のお店のコンセプトとターゲットが明確になったら、次は具体的なおしぼり選びです。
紙おしぼりのデメリットを打ち消す必要があるのか、それともデメリットがかえって自分のお店にとって有利になるのかまで考える必要があります。
今回は3つのケースで、具体的にどのようなおしぼりを選んでいけば良いのか、ご提案させていただきます。
「安い・早い・美味い!」がウリのテイクアウトショップの場合
安さと手軽さをアピールしたいなら、紙おしぼりの「安っぽい印象」を逆手にとってリーズナブルなハーフサイズの紙おしぼりを選んでも良いかもしれません。
サイズが大きいと、テイクアウトしていただくにも邪魔になりますしね。
キッチンカーなどを使用したお店であれば、紙おしぼりを保管しておく場所もあまり確保できません。
ですから、省スペースになる平型に畳んである紙おしぼりもオススメです。
ただテイクアウトでは、破れてしまった場合のフォローができませんので、破れにくいレーヨン素材のものを選ぶと喜ばれるかもしれませんね。
お店を女性をターゲットにした「リラックス空間」を提供したい場合
リラックスできる雰囲気は肌からも感じ取れるものです。
ということは、最初に手に触れる紙おしぼりの触り心地にこだわってみるのはいかがでしょうか。
パルプ製の紙おしぼりは、ソフトタッチな肌触りで女性や年配の方に人気です。
パルプが破れやすいことが心配なら柔らかな感触のレーヨンも良いでしょう。
このように素材を慎重に選べば、「手触りが悪い」という紙おしぼりのマイナスイメージを打ち消すことができます。
私個人としては、手全体が包まれるようなサイズも大事かなと感じています。ホッとリラックスしたい場所で小さいお手ふきだと、指先だけチマチマ拭くようであまり落ち着かず…(これはあくまで私見ですが!)
形は、ぺったりと固くたたまれた型より、ロール状に巻かれた丸型のほうがふんわりとした優しい印象を与えられるかもしれませんね。
富裕層をターゲットに「高級感」「ワンランク上」のお店をアピールしたい場合
高級感を出すには素材・厚み・大きさにこだわる必要があります。
ガーゼ素材は吸湿性に優れ高級感があります。
厚みがあり、大きいほうが存在感もあり、他店との違いがアピールできますね。
さらに通常タイプの紙おしぼりでも高級感を醸し出している紙おしぼりもありますので、パッケージコンシェルジュまでご相談ください。
最近は「安っぽい」という紙おしぼりのイメージを覆す商品がたくさん出てきています。
布製に近い感触のものや、アロマの香りがついた紙おしぼりもあるんです!
香りつきの紙おしぼりなんて!
香りを嗅ぐつもりが勢い余って顔まで拭いてしまいそうです。
「包んである白いビニールが安っぽく見える」という声もありますので、包装もカラフルなものを選ぶという方法もあります。
使い捨ての高級紙おしぼりを出してくれる「自動おしぼり機」というものを使っている店舗もあります。
これは暖かい紙おしぼりをその場で切り出してくれる機械なので、ビニールに包まれているのがイヤというお客様のニーズにも答えられます。
紙おしぼりの選び方 まとめ
店主さんの頭を悩ませる紙おしぼり選びの考え方を、3つの例に絞ってご紹介しました。
コストや紙おしぼりの種類に圧倒される前に、自分のお店が伝えたいメッセージ、リピーターになってもらいたい客層をハッキリさせておくようにしましょう。
おもてなしの気持ち大切にする日本の文化と、清潔さを無意識に大切にしている日本人の心が体現されたおしぼり。
自分お店にピッタリの紙おしぼりを提供していきたいですね。
木村容器では様々なタイプの紙おしぼりをご用意しております。
さらにいくつかサンプルをご提供しますので、実際に使ってみて、触ってみて決定することができます。
ぜひ木村容器のパッケージコンシェルジュまでお気軽にご相談ください。