試飲・試食販売 本当に効果があるの?
先日、近隣のスーパーに行った時のことです。
通路を歩いていたわたしの目の前にサッと小さなカップが差し出され、思わず海鮮風味の鍋スープで煮た野菜と麺の試食品を受け取っていました。
試食販売をしていたのは中年の男性で、「男性の試食販売員って珍しいなあ」と感じるのと同時に、繁華街のティッシュのように試食を手渡すタイミングのうまさに、改めてすごいなあと感心しました。
時々このようにスーパーなどの店頭で、試飲・試食販売が行われているシーンを見ると、少し悲しくなることがありませんか。
誤解がないように書きますが、それは自分の食に対するいやしさで・・・という訳ではありません。
それは、店員さん(殆どの場合はメーカー派遣の方)が一生懸命試飲・試食販売を勧めているにもかかわらず、お客さんがその現場を避けて通ることが多いからです。
日本人はシャイなので、試食・試飲販売というスタイルになかなか慣れないのでしょうか?!
確かにわたしも「食べたい!」と思いながらも、ためらったり、避けてしまったりすることがあります。
でもこのような試食試飲販売が無くなることはありません。
それはなぜなのでしょうか。
今回それを取り上げてみることにしました。
「試食・試飲販売」のお仕事って?
まずは試食・試飲販売のお仕事ってどういうものなのでしょうか?
試食・試飲販売のお仕事は、スーパーマーケットの食品売り場などで、新商品やオススメの商品を実際に食べてもらい、PRしたり販売するお仕事です。
冒頭の鍋のようなものを使って実際に簡単な調理をすることもあります。
飲み物は、試飲用の小さな容器に入れて配り、試飲してもらいます。
たまにビールとかワインの試飲がありますが、運転する人は飲めないですね。。。
この試食・試飲販売のお仕事を始める前に、大体は事前に研修があって、商品の知識やお客様への声掛けの方法や話し方、困ったときの対処法などを勉強・練習してから仕事に入るそうです。
このような試食・試飲販売のお仕事を選ぶ方はこの試食・試飲販売という仕事にどんな思いを持っているのでしょうか。
調べてみました。
・試食・試飲販売の仕事で販売員がうれしいとき
お客様に喜ばれたり、子どもがおいしいと可愛い笑顔で言ってくれたときに、やった!と思うという声が多くありました。
子どものかわいい笑顔は最高のご褒美ですね。
さらに、勧めた商品が売れればもちろんモチベーションがアップします。
・試食・試飲販売の仕事で販売員が大変な時
なかなか人に声をかけられずに苦労した。
声をかけても無視されてしまい悲しくなった。
PRの言葉を大きな声で言うのが恥ずかしかった。
一人でたくさん食べる方がいて大変でした。
この最後の「一人でたくさん食べる方がいると大変」とか、これはどう対処するのでしょうか。
「御夕飯が食べられなくなりますよ」「夕飯ですか?」
こんなことを言ったら売れないこと間違いなしです。
その他には立ちっぱなしなので疲れるという大変さもあるようです。
確かに試飲・試食に限らず、接客は立ちっぱなしですね。
ただ同じところに立っているというのは案外疲れそうです。
試食・試飲販売は本当に効果があるの?
久しぶりの登場です。
このように大変だなあと思って見ていた試飲・試食販売ですが、ある調査によるとスーパーでお買い物をした人の99%が試食商品の購入をした経験があるという回答結果でした。
これは凄い結果ですね。
でも考えてみたら納得!!確かに美味しかったらその場で買ってしまいますよね。
また押しの弱い良い人だったら、販売員さんに勧められて食べたのにも関わらず、勝手に「買わなきゃ悪い」と考えて買ってしまう人もいそうです。
いずれにしても、99%が購入経験者というのは、それらの人が「いつも買う」という訳ではないにしても凄いことです。
さらに調査によるとスーパーマーケットなどで試飲・試食販売をしているときに「受けとる」と答えた人も、全体の約8割だったのです。
これはすごく意外でした。みなさんけっこう試食しているんですね!
もしかしたら、みんなわたしに隠れて食べているのでは・・・・もしかしたら、わたしのいる前では何気なく通り過ぎて、実は隠れていてわたしが通り過ぎたすきに・・・・「パク!」などと考えてしまいました。
でもよく考えれば、試食を受け取らない人も、試飲・試食自体が嫌なのではなくて、好みの食べ物ではなかったりおなかがいっぱいだったりと、いろいろな理由で受け取らないことってありますよね。
さらに調査を加えると、実際に試食をした後購入を決めた要因の第一位は、味、第二位は値段でした。
この感想はやっぱり食べてもらったからこそ売れたということですね。
また、試食・試飲の後商品を購入したお客様のうち、リピート買いしたことがある人も6割を超えました。
当然かもしれませんが、一度試してから購入しているので、買ってみて失敗だったということがほぼないのです。
このように試食・試飲販売には、その時だけでは終わらない絶大なる効果があるということが分かりました。
あ~~~安心した!!
試飲・試食販売のネック
このように絶大なる効果がある試飲・試食販売ですが、ネックになるようなこともあるようです。
受け取らなかった理由のひとつに「受け取ると買わないといけない気がする」が入っています。
先ほども考えたように、わたしを筆頭に日本人はシャイな人が多いので、買わなくちゃ悪いな、という気持ちになってしまうのでしょう。
でも裏返しの結果ですが、購入した人の第三位は、店員の声掛けが良かったとなっています。
これって意外と大きいですよね!
冒頭でいきなり渡された鍋スープの試食も、販売員のおじさんが家の台所で調理していそうなお父さん風だったんです。
ちょっと食べてみてーという感じで、そんなに話しかけてくるわけでもなく、野菜と麺に集中して食べることができました。
気を遣いながら食べても、味なんて分かりませんからね。
こう考えると、絶大なる効果がある試飲・試食販売も、実は販売員の腕次第!というところもあるのかもしれませんね。
試飲・試食販売の今後
このように試飲・試食販売にはかなりの効果があるということが分かったわけですが、スーパーマーケットや百貨店では試飲・試食販売の形態が少しづつ変わってきているようです。
例えば、サミットではたくさんの店舗で「おためし下さい」という試食カウンターを設置しています。
実際行ってみましたが、カウンターというよりは「おためし下さい」ブースでした。
非常に大きくスペースを取り分けているのです。
しかしよく見たらこれまでのようにその場で商品を作って並べて、販売員さんが売っているわけではなく、見本程度の数個しか置いてありません。
3種類くらいのお試し品が並べてあって、興味があれば試食します。
気に入ったら自分でその売り場に行ってカゴに入れるだけです。
考えてみたら、これなら実際に買うか買わないか気にする必要がありません。
店員さんも、こちらから質問しなければいろいろ話しかけてくることはありません。
あくまでも「よかったら試して行ってくださいね」といった感じです。
まさに日本人向きです。
考えたなぁ~~サミット!!
他にもおもしろいと思った、新しい試食・試飲の形態があります。
それは「試飲・試食・試供品のための実店舗」です。
アメリカで始まったこの「サンプリング ラボ」ですが、WEBサイトでユーザー登録した人がラボというか実店舗に行ってサンプルを試し、それに対して企業にフィードバックをするという仕組みです。
この試飲・試食販売という仕事は、すでに販売している商品だけが対象ではありません。
開発段階の商品に対して、自分も関われるといった意味合いもあります。
今はハンドメイドマーケットという市場があるくらいで、商品が多様化しています。
日本にもこのサンプリングラボという形も、これから広がっていくのでしょうか。今後に注目してみたいと思います。
このようにさまざまな効果がある試飲・試食販売には場所代、人件費・試食容器などコストもかかるので、試飲・試食販売に使う容器などコストを削れるところは削りたいですよね。
ちなみに冒頭でわたしが食べた具だくさんの鍋スープですが、本当に小さなミニチュアお椀?の発泡容器に入っていました。多すぎず少なすぎず、楽しめる量でした。
木村容器では、そのような試飲・試食販売用容器のみならず、用途別に最適な試飲・試食容器をご提案しております。
是非パッケージコンシェルジュまで相談してみてください。