よくある質問と答え

プラスチックに関して/プラスチックについて

Q1.塩素系プラスチック等を燃やす時にだけ、ダイオキシンは発生するようにいわれていますが、本当ですか?

ダイオキシン生成に必要な塩素は焼却環境中に常に存在しており、紙や木を燃やしてもダイオキシンを発生させる可能性があります。適切な設備で、適切な条件(800℃)で焼却することにより発生を最小限に抑えることができ、特定の物質の焼却が、ダイオキシンの発生を左右することはないと考えられています。

Q2.よく耳にする「環境ホルモン」ってなんですか?

環境ホルモンは正確には「外因性内分泌かく乱物質」といいます。 「内分泌かく乱物質」は自然界にも存在し、大豆、もやし、クローバー等にも含まれています。ある種の化学物質は体内に入るとあたかもホルモンのように作用し、人や動物に様々な影響を及ぼすのではないかと疑われていますが、環境ホルモンの明確な定義は現時点では確立されていません。 厚生省「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」(平成10年11月)の中間報告書では『食品用容器の材料として、内分泌かく乱化学物質の問題は、その作用の有無、種類、程度等について未解明な点が多いため引き続き調査研究を推進していくことが重要であると考えられる。』『一般的に用いられている合成樹脂のうち、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルについては、人の健康に重大な影響が生じるという科学的知見は得られておらず、現時点で直ちに使用禁止等の措置を講ずる必要はない。』『また、今後の調査研究の進展等により新たな知見が得られた場合には、必要な見直しを行い、国民の健康確保に支障を来たすことのないように適切に対処しなければならない。』とされています。

Q3.食品用容器包装、器具に使用されているプラスチックの添加剤は安全ですか?

プラスチック製品に使用される添加剤は、製品の劣化を抑制したり、耐燃性や可塑性などの付加価値を持たせるために使用されています。プラスチックの添加剤は、「包装や器具から食品中に溶け出し、人が摂取すると推定される量が、その添加剤の許容量を超えない、いわば「安全性上問題がない」という判断基準」にもとづいて、ポジティブリストに記載された添加剤の中から、必要最小限の種類と量が使用されています。 許容摂取量とは通常ラットによる経口亜急性毒性試験の最大無作用量の1/300(安全係数)を基準としています。 安全な物質とは=毒性のない物質、危険な物質とは=毒性のある物質と考えがちですが、摂取量や使い方によってはどんな天然物も合成物も危険なものになり得ます。 逆に、毒性があるとされる物質であっても摂取量が少なければ、体内で分解されたり排泄されたりして、障害を起こすには至らず安全ということになります。例えば食塩やビタミンは過剰な摂取を行えば障害が生じます。 従って、プラスチック用の添加剤は、全量が口に入る医薬品や食品添加物と比べ、使用した製品から食品へ溶け出す量を摂取量としても、きわめて微量であり問題にはならないと考えられます。

Q4.「グリーンプラ」や「バイオマスプラスチック」という言葉を聞きますが、どんなプラスチックですか?

「グリーンプラ」とは、一般的に生分解性プラスチックのことを指します。使用中は通常のプラスチックと同じように使えて、使用後は自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解され、自然に還るプラスチックのことです。「バイオマス」とは生物起源のエネルギー資源の総称です。「バイオマスプラスチック」は、石油などの化石資源からではなく再生可能な有機資源から作るプラスチックのことを指しています。どちらも、環境や資源の面で地球にやさしいプラスチックとして注目されています。

Q5.プラスチックという言葉を目にしますが、これは高分子化合物とは違うのですか。 また、合成樹脂とも違うのですか。これらの用語の違いを教えてください。

言葉の定義としては曖昧なところがあります。 「プラスチック」とは、加熱したとき軟らかくなり、粘土のように柔らかくなる熱可塑性という性質をもつ物質です。そして、それぞれを結びつける手を持つ個々の物質(モノマー)を1,000~数万個結合させてできる強靱な物質をポリマーと言います。そのモノマーは様々な分子でできており、それら分子が数万個という単位で結合した巨大な物質(ポリマー)を「高分子化合物」や「高分子」とも呼んでいます。さらに、そのポリマーに、必要に応じてその性質を改良するための物質(添加剤)を加えたものがプラスチックです。 また従来から、通常製品として成形したものが「プラスチック」で、成形する前の材料が「合成樹脂」であると定義することがあります。それは、コップや皿は「プラスチック」であって、その原料は「合成樹脂」や単に「樹脂(レジン)」であると区別する考え方と同じです。 これらのことから、これら3つの用語は、全く同じとは言えませんが、通常はほぼ同じ意味で使用されています。 ← 言い回しなどを変えています。

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