日本の食卓に欠かせない箸。その箸はいつ日本に入ってきてどのように文化として根付いたのでしょうか?
お箸の歴史を知れば、もっと箸が好きになるかもしれません。
このコンテンツでは、箸と日本のかかわりを特集します。
箸の起源はいつどこで?
古代中国の遺構・殷墟で出土した青銅製のものが、現在のところ最も古いお箸と考えられています。
もちろん、同じ時代に木や竹など植物性のお箸も存在した可能性もありますが、木や竹は腐りやすく、発掘したとしてもお箸なのかただの木切れなのかを判別するのは難しいと言えるでしょう。
中国では「快子」や「筷子」などお箸にあたる記述が幾つかあります。
その中で箸という文字は戦国時代に現れました。
箸という字を見て分かるように文字には竹冠を使用しています。
そのためこの時代には竹で作られたものがお箸として普及していたと予想されています。
世界で使われる箸
このコンテンツでは、日本の箸を特集しますが、世界の箸事情も少し記載しておきます。
中国で箸は円柱型や四角柱型のお箸と陶製のレンゲ(散蓮華)の組み合わせがスタンダード。
おかず類にお箸を使い、ご飯や汁類に散蓮華を用います。
韓国の箸もおかず類にはお箸を使用、ご飯や汁ものはスプーンを使用。
中国とは異なり、金属製のお箸が多いです。
麺食が多いことで有名なベトナム。
お箸とスプーンの組み合わせにナイフを使う場合もあります。
お箸は中国でも使われている四角柱型のものを使用。
麺食のためか塗り箸の使用は好まれず、木製や樹脂製が使われています。
日本の食文化の中の箸
近年格安航空が利用しやすくなり、以前よりも気軽に海外に出かけるようになりました。
海外旅行の楽しみの一つは、現地でおいしいものを食べることですよね!
世界の各地に行ってみると食文化も多種多様です。
そんな中、海外の多くの国では日本食(日本食もどき?)が人気だったりするんですよね。
そのせいか、お箸を使える外国の方が増えているようです。
日本に来る外国の方が、お箸を器用に使って麺類を食べているのを見ると、ちょっと感心してしまうのは私だけでしょうか。
たしかに箸は日本の食文化に欠かせないものですが、実は世界人口の30%は箸を使っているそうです。
この記事では、そんな世界のいたるところに息づいている「箸」の文化を考察したいと思います。
そもそも箸とはなんですか?
箸とはなんでしょうか。
箸は食物などを挟むのに用いる2本で一対の細い棒です。その箸は木・竹・象牙(ぞうげ)などを素材として作られています。
前述したように箸は日本以外でも使われています。
例えば中国、韓国、北朝鮮、シンガポール、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、モンゴルなどアジアの各地で日常的に箸を使う国はたくさんあります。
このような箸の意味合いからすると、確かに世界各地で箸が使われていても不思議ではありません。
ただ同じように箸を使うという文化はあったとしても、その箸に使う素材や使い方、そしてマナーなどには、それぞれの文化が存在しています。
ですから同じように文化としては箸を使ってはいても、似ているようでちょっと違うもの、と言えるかもしれませんね。
この「箸(はし)」という言葉の由来については諸説あるようです。
一つの説は、「箸」というのが「挟むもの」という意味で、箸そのものの役割を表していると言われています。
他にも、細い棒の「端」を持って用いることから、「はし」と呼ばれるようになったという説や、「橋」や「柱」に似ているといった見た目を語源としているという説もあり、どれが本当の箸の語源となったかは分かっていません。
ちなみに「橋」と「箸」と「端」はアクセントが違いますが、皆さん正しく発音できますか?
日本語って難しいですね。
箸が日本にやって来たのはいつ?
日本で箸が使われ始めたのがいつなのか、その正確な時期ははっきり分かっていません。
なぜなら箸の素材となるのは木や竹などの天然素材なので、ほとんどが朽ちてしまっているので、たとえ遺跡の中にあったとしても朽ちてしまっているからです。
たとえ遺跡から箸らしきものが出土しても、それが本当に「箸だったのか」がはっきりとわからないことが多いのです。
しかし分かっていることはあります。
箸と思われる最古の出土品は弥生時代のもので、細く削った竹を半分に折り曲げたトングのような形のものです。
しかし、弥生時代より後代の歴史書「魏志倭人伝」には、日本人は手づかみで食事をしていると書かれていることから、人々は普段は箸を使わず手づかみで食事をしていたものと考えられています。
箸についてはっきりしているのは、7世紀に遣隋使が中国から帰国した際に伝わった中国の文化の一つに箸があったということです。
その箸ははじめ朝廷で使用され、次第に一般市民の間に普及していき、箸は徐々に日本の文化として根付いていったと考えられています。
日本で箸を使って食べる箸食が広まった当初は、箸の素材には主に竹が使われていました。
ですから「箸」という漢字に竹冠が付くのもそのためのようです。
その後素材には他の木材も使われるようになり、江戸時代には漆塗りを施した塗り箸が登場しました。
割り箸が一般に普及したのは明治時代で、吉野杉で有名な吉野で建材の端材を利用して作られました。
その吉野杉を使った箸は今でも残っています。
このように考えると割り箸ははじめから、残ったものを再利用したエコなものだったんですね。
現在も、割り箸には間伐材などが用いられています。
日本の箸の現状
箸は食生活によってその使い方は変わってきます。
現在の日本では、一般家庭でも和食以外の様々な料理を作って食べるようになっています。
例えばカレー、シチュー、スパゲッティなどは多くの家庭で箸が食卓に並ぶものですよね。
このように日本での食生活のスタイルは多様化し、フォークやスプーンを使うようになっていること、幼少期に箸の使い方を正しく教えられていないことなどから、箸を正しく使える人が減っているのが現状です。
しかし、近年お箸は世界から注目されるようになっているんです。
そのきっかけは「和食」です。
2013年には「和食」が無形文化遺産登録され、海外でも箸の使い方も注目されました。
もともとヘルシーな日本食ですが、箸を使って一口一口味わってゆっくり食べることは健康にもいいと話題になっていました。
最近は外国から来た旅行者が上手に箸を使って食事をしているのを見るようになりました。
箸を使うのがクールに感じる方も多いようで、なんだか嬉しいですね。
これには日本の漫画やアニメ人気の影響もある!と感じるのはわたしだけでしょうか・・・
アニメで箸を使っているところってありましたっけ・・・・?!
以前、箸と言うと素材に木材を使ったものが一般的でした。
しかしコンビニエンスストアで配布される箸が竹に変わったころから、最近日本の箸の素材でメジャーなのは竹を素材にしたものになっております。
そしてその竹の素材の箸もメジャーなものでお安い竹箸は以前より短くなっています。
ほぼ20cm強です。
それもまたコンビニエンスストアの影響です。
コンビニエンスストアで配る箸は楊枝が入った完封箸が基本なので、その中に入るようにお安い竹箸も短くなっているのです。
箸も時代の流れによって、素材も長さにも変化が生じているのです。
まとめー箸とはなんですか?
古くから日本の文化に欠かせない存在だった「箸」ですが、ずっと箸のある暮らしをして来た日本人でも、実際に箸を正しく使えている自信のある人は多くないかもしれません。
現在は日本食の人気とともに、海外で箸人口が増えているようです。
わたしたちも日本人としてきちんとお箸のマナーを身につけて、スマートに食事を楽しみたいのものですね。
木村容器では木材から竹材など様々なお箸を扱っております。
多種多様な飲食店様に最適なお箸をご提案することができますので、気になった方は是非、木村容器のパッケージコンシェルジュまでご連絡ください。