感染症の流行により、病院や介護施設だけではなく、飲食店や家庭など様々な場面で使い捨て手袋が必需品となっています。
様々な使い捨て手袋の中でも、ニトリル手袋は強度や優れたフィット感により、幅広い業界で使用されてきました。
しかし、昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ニトリル手袋の需要が増大し品薄が続いています。
一時期のような在庫切れは少なくなってきたものの、価格が下がらないため代替品をお探しの方も多いことでしょう。
そこでこの記事では、ニトリル手袋の代替品として最近注目を集めているTPE手袋の特徴や、快適に使用するコツなどをご説明いたします。
ニトリル手袋が不足している原因
コロナ禍になって不足した衛生用品は手袋以外に不織布のマスクがありました。
しかし現在不織布のマスクは多く流通するようになり、価格も下がりました。
ではなぜニトリル手袋は一年以上たった今でも価格が高騰しているのでしょうか?
輸入に頼っているニトリル手袋
ニトリル手袋の最大生産国はマレーシアです。
日本は、ニトリル手袋のほとんどをマレーシアなどの東南アジアなどからの輸入に頼っています。
しかしマレーシアを含め東南アジアでは政府によるロックダウンが発動しました。
企業には事業の休止や従業員の自宅待機が指示され、手袋メーカーに対しては特例として5割の工場スタッフで稼働させる措置がなされましたが、元の生産数を維持することはできません。
しかも日本以外の国々も同じく東南アジアからニトリル手袋を輸入していますから、世界中でニトリル手袋の争奪戦となっています。
そうなると交渉力の強い国が有利となりますが、律儀な日本人の想像を超えた取引が、海外では当たり前のように行われているのです。
例えば日本企業が従来の海外ルートで製造を依頼しても、現地の工場や商社が、裏で高額買取を約束した他の国の企業に売却しているという例もあります。
では、不織布マスクのようにニトリル手袋を国内で生産することは難しいのでしょうか?
一朝一夕には生産数を増やせない
ニトリル手袋を国内で生産することはできますが、直ぐに製造開始というわけにはいきません。
その理由の一つは、ニトリル手袋のような医療用手袋を生産するためには、厚生労働省からの許可を得る必要があるからです。
もう一つの理由は、ニトリル手袋の製造は他の手袋と製造ノウハウが異なるからです。
そのため新たにニトリル手袋の製造工場を作らなければなりません。
しかしニトリル手袋の製造ラインは非常に大きく大量の水が必要であるため、工場用地を確保し建設するには時間がかかります。
現在、香川県において国内初の医療用ゴム手袋の製造工場が稼働する計画がありますが、まだ先のことになりそうです。
TPE手袋とは?
TPEとは、熱可塑性エラストマーのことで、プラスチックとゴムの性質を併せ持つ素材です。
プラスチックは、熱で簡単に成形できますが固まると伸縮性がありません。
TPEはそこに弾力性があるゴムの性質が加わることによって、伸縮性が生まれるのです。
TPE手袋の特徴
TPE手袋の見た目はポリエチレン手袋に似ていますが、伸びやすく、ズレにくく、着脱も簡単です。
TPE手袋は、ポリエチレン手袋よりは高価ですが、ニトリル手袋よりは価格が安く、左右兼用なので、頻繁に交換するところでは便利です。
しかもTPE手袋は、ニトリル手袋に比べて樹脂量が約半分なので、環境に優しい手袋です。
TPE手袋はフィット感や強度、耐熱性ではニトリル手袋に劣りますが、他のプラスチック手袋よりも指先にフィットしやすく、しかも油、薬剤、洗剤にも強いため、ニトリル手袋の代替品として幅広い分野で使用できます。
TPE手袋の用途
TPE手袋には・食品加工・食品盛り付け・介護・医療・清掃・検査・組み立て作業など、幅広い用途があります。
いくらかの伸縮性があるため、調理の際の繊細なカットや盛り付けにもストレスなく使用できます。
油や洗剤に強いため、厨房や工場の洗浄や清掃など、食品業界の全ての業務に使用できます。
最近では、食品業界ではニトリル手袋の不足を受けて、TPE手袋に変更するところが多くなっています。ご注意いただきたい点として、TPE手袋の中には食品衛生法に適合していない商品が一部あります。
食品業界の方は、事前にご確認いただきたいと思います。
木村容器が扱うTPE手袋は、食品衛生法適合製品ですのでご安心ください。
TPE手袋を快適に使用するコツ
TPE手袋の独特の性質を踏まえて、快適に使用するコツをご紹介いたします。
ニトリル手袋と違い、通常サイズのTPE手袋をそのまま装着すると、ぶかぶかになってしまい、フィット感が得られません。
このため、TPE手袋の場合は、通常サイズよりワンサイズ下のものを装着することをお勧めします。
TPE手袋を装着後に指の付け根に向けて押し下げると、伸びて手にフィットするので、細かい作業であってもストレスなく行えるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今までニトリル手袋を使用しなかった場所でも、ニトリル手袋が大量に使用されるようになりました。
ニトリル手袋の不足が続き、安定供給のめども立たない今、代替品を検討することも実際的な選択肢となってきました。
この記事でご紹介したTPE手袋は、フィット感や耐油性などに優れているため、多くの業種でニトリル手袋の代替品となる可能性があります。
価格もニトリル手袋より安く、経費削減にもつながります。
木村容器では、手の小さい女性から手の大きな男性までカバーできるよう、3SからLサイズまで5段階のTPE手袋をご用意しております。
ニトリル手袋の代替品をご検討の方々は、ぜひ木村容器のパッケージコンシェルジュにご相談下さい。