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ニトリル手袋の特徴やメリットデメリットを解説!

ニトリル手袋の特徴やメリットデメリットを解説!

使い捨て手袋ならどれでもいい?

今の時代、生活や仕事の中で「使い捨て手袋」が大いに活用されています。
特に昨年からは感染症対策のために、これまで以上に使い捨て手袋が消費されています。

使い捨て手袋は雑菌やウィルスを防ぐ衛生面や、洗剤や薬品から手を保護するため、また取り扱う製品を守るために使われていますが、手を覆えばどれでも良いというわけでもありません。
実は使い捨て手袋の中にもいろいろな種類があり、適切なところで使われるときに最大の力を発揮します。

使い捨て手袋は一般的にビニール手袋、ゴム手袋などと呼ばれますが、その素材はニトリル、ラテックス、プラスチック、ポリエチレンなどと違いがありそれぞれにメリットデメリットがあります。
今回はその中で「ニトリル」に迫って見たいと思います。

ニトリル手袋とは?

ニトリル手袋とは、ニトリルゴムという石油系合成ゴムでできている使い捨て手袋です。

「ニトリル手袋=ゴム手袋」と誤解をされることもありますが、この二つは素材が違います。
ニトリルの素材は合成ゴムであるのに対して、ゴム手袋は天然ゴムラテックスです。

この違いがなぜ大切かというと、天然ゴムラテックスはアレルギーを起こす可能性があるからです。
ここで一旦ニトリルから離れて、このラテックスアレルギーについて少し解説したいと思います。

ラテックスアレルギーとは?

ラテックスアレルギー

ラテックスアレルギーとは、天然ゴムのラテックスから検出されるタンパクがアレルゲンとなって生じるアレルギー反応です。

ラテックスアレルギーを発症すると、接触のあった場所に蕁麻疹や発赤などの皮膚反応が起こる程度のこともあれば、浮腫、結膜炎、喘息、息切れ、低血圧などの全身症状が起こることがあります。

さらに深刻な場合にはアナフィラキシー症状や意識の消失などの可能性もあります。

ラテックスアレルギーを起こしやすいのは、長時間ラテックス手袋を使用する病院や歯科で働く医療従事者です。

ラテックスアレルギーを発症すると、軽度の場合は皮膚の炎症や痒みが生じますが、重度になるとぜんそくや結膜炎などが起こり、もっとひどいとアナフィラキシーショックを起こして血圧の低下や意識の消失に至ることもあります。

一旦ラテックスアレルギーを発症した人は手袋以外にも衣類のゴムなどでもアレルギー反応を示すため、日常生活に支障が出てしまいます。

こうしたラテックスアレルギーのリスクを減らすために、天然ゴムのラテックスに似た製品特徴を持つニトリル手袋で代用することが多くなっています。

ニトリル手袋の粉あり、粉なしとは?

ニトリル手袋やゴム手袋の箱をよく見ると「粉あり」「パウダーフリー」などと書いてあります。
このパウダーはとうもろこしからできるコーンスターチで、使い捨て手袋を着脱しやすくするため、また手袋を製造する際に鋳型から外しやすくするためという役割があります。

コーンスターチ自体がアレルゲンとなるのは極めて稀ですが、粉ありの手袋を使用すると手荒れを起こすと感じている方がいます。
これはパウダーによって肌が乾燥しバリア機能が低下した状態になることで、素材そのものや添加薬品に反応してしまうことが原因と考えられています。

こうしたことからパウダーフリーの手袋も選ばれるようになっています。

パウダーフリーの製品には製造方法がいくつかありますが、ニトリルの場合には手袋の内側を加工して着脱しやすくしています。

このように素材や特徴だけでなく、製造過程についても知っておくことでより良い製品を選ぶことができます。

ニトリル手袋 使い捨て

ニトリルの特徴からメリットとデメリットを考える

ここまででニトリルの素材に関してみてきましたが、使い捨て手袋の他の素材、ラテックス、プラスチック、ポリエチレンと比べたときにニトリルにはどんな特徴があるのでしょうか。
以下にその特徴をまとめてみます。

ニトリル手袋の特徴

強度伸縮性耐油性耐薬品性耐摩擦性食品使用コスト
ニトリル手袋×
天然ゴムラテックス
プラスチック×
ポリエチレン×××

上の表から分かるようにニトリル手袋の特徴は、強度が優れていて、引っ張り・突き刺しにも強いので、食肉、水産、農産などの食品工場で使用されています。

また、耐油性、耐薬品性に優れているので、オイルや薬品を扱う修理や機械作業、実験、塗装業などにも利用されます。
さらに伸縮性に優れていて指までフィットするので、細かさが求められる医療、介護などにもラテックス手袋の代替品として使用されるようになっています。

コロナ禍のニトリル市場の変化

今までニトリル手袋が使用される場所は、医療や介護の現場、食品製造業などでした。
しかし新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、医療や介護業界だけでなく、小売店や飲食店また個人レベルでも、感染予防のためにニトリル手袋の使用が急増しました。

感染を予防しようとする個人が日常の外出でも使い捨て手袋を使用しているほどなのです。

ニトリル手袋の現状

このようにニトリル手袋が従来とは違う分野で使われるようになったため、拡大する需要に生産が追い付かず、ニトリル手袋が不足するという事態が続いています。

これを解消するために輸入を増やしたり、日本国内に工場を作ってニトリル手袋を生産するという計画もありますが、すぐに実現するのが難しい背景があるのです。

まず、ニトリル手袋のほとんどは海外製で、シェア率第1位から3位のマレーシア、タイ、中国を合わせると90%以上のシェア率になります。
安く簡単に手に入るため日本ではずっと輸入に頼ってきました。
しかしコロナの蔓延によって、生産国はロックダウンになり生産数が減少しました。

また、ニトリル手袋の原料となるニトリルゴム(NBR)は車や様々な製品の原料としても使用されているため、ニトリル手袋のために確保できるニトリルゴム(NBR)を急に増やすことも簡単ではありません。

では日本国内に工場を作るのはどうでしょうか?
日本で医療用手袋を生産するためには、厚生労働省からの許可を得る必要があります。
また医療用手袋は他の手袋と製造ノウハウが異なるため、すでに稼働している工場を転用することは難しく、長い製造ラインが必要とされる手袋の工場を新たに作らなければならないのです。


現在、香川県において国内初の医療用ゴム手袋の製造工場が稼働する計画がありますが、予定では2023年春とまだ先のことになりそうです。

まとめ

ラテックスアレルギーの心配をせずに使えるニトリル手袋ですが、コストの面では他の使い捨て手袋よりは高価なものです。
木村容器では、EVA、PVC、TPEなど様々な種類の使い捨て手袋をご用意しております。
ニトリル手袋の代替品をお探しの方は、一度木村容器までご相談ください。

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