ワックスペーパーとグラシン紙とパラフィン紙・オイルペーパーの違いってあるの?
最近は子どもに愛情と時間をかけるご家族が増えています。
そのようなご家族の中には「食育」に力を入れて、お子さんやご家族のために収穫から調理などを一緒に行っている方もいらっしゃいます。
そんなわたしも食育とまでいかないまでも、栄養のあるものを家族に食べさせたいと思っているなか、先日銀行の粗品で「クッキングペーパー」をいただきました。
ちょうどピザを焼こうと思っていたので使えるかなーと出してみると、ちょっと柔らかくて思った手触りと違うのです。
クッキングペーパーと言っているがオーブンで使えるのか?!非常に迷ってしまいました。
そういえばお菓子を作る時にも、グラシン紙と書いてあるものとパラフィン紙と書いてものなど、どう違うのか分からないものがあったんです。
そこで、グラシン紙パラフィン紙、そしてワックスペーパーとオイルペーパーなどわたしたちを悩ませる紙について、特徴や用途を調べてみました。
大きく分けると、二つしかない!?
グラシン紙
「グラシン紙」とは紙の種類の事で、パルプを長時間切りほぐしたり押しつぶしたりしてドロドロにしたあと、ローラーを使って高圧で平滑にした紙です。
こうすると隙間がなく密度の高い紙が出来上がります。
グラシン紙とはガラス(glassine)のようなという意味だそうです。
たしかにすりガラスみたいで光沢がありますよね。
あれはどろどろの繊維を何回もローラーで圧縮しているのであんなにツルツルになるんですね。
〇用途
グラシン紙の用途としては、身近なところではトレーシングペーパー(ペーパーレス化で最近あまり使用しなくなりましたね)
それからシールの剥離紙があります。
もちろんラッピングにも使われています。ワックスなど塗っていないので、熱いものをつつんでも何かが溶けるとか心配いりません。
もちろんグラシン紙はただの紙ですから、オーブンや電子レンジには使用できません。
そのかわり蒸し器には使用できます。
〇グラシン紙の仲間
グラシン紙とほぼ同じような紙で、パーチメント紙というものがあります。
これはパルプをドロドロにする方法がグラシン紙とは違い、硫酸で溶かしています。
硫酸は紙には残らないので、怖がらなくて大丈夫ですよ。
これらの紙は繊維の隙間が詰まっているので、ワックスペーパーには劣りますが耐水、耐湿性があります。
パラフィン紙
「パラフィン紙」とは、紙にパラフィンワックスを染み込ませたものです。
使う紙はいろいろで、さっき説明したグラシン紙を使っているものもよくあります。
パラフィンワックスは蝋(ロウ)とほとんど同じものです。
それで時々蝋引き紙と書いてあることもあります。
また、単にワックスペーパーということもあります。これはみんな同じものです。
いずれにしても、原紙は様々でそこにワックスを染み込ませたもののことですね。
ワックスを染み込ませることで、耐水、耐油、防湿性をもたせ、紙の強度が増します。
特徴として、大体60~70℃前後からパラフィンが溶けて紙に染みだします。
ろうそくを想像すれば分かりますね。そのため電子レンジやオーブンで使用できません。
〇用途
パラフィン紙やワックスペーパーは、ラッピングペーパーとして使用されています。
水や油を弾くので、サンドイッチを包んだり、お弁当の仕切りなどにも使用できます。曲げわっぱとか竹籠などの天然素材のお弁当箱にパラフィン紙を敷いて使えば、汚れずに済みますよね。
〇パラフィン紙の仲間
ワックスではなく油を紙に浸透させて乾燥させたワックスではなく油を紙に浸透させて乾燥させたオイルペーパーというものがあります。
パラフィン紙のことをオイルペーパーと表示しているところもありますが、パラフィンではなく油を染み込ませているので正確に言うと別物です。
日本では昔、オイルペーパーが雨傘に利用されていました。
やはり50℃くらいで油が溶けるので、高温注意ですね。
お店で売っている○○ペーパー・○○シートの正体
紙の種類が分かったところで、お店に売っている「クッキングペーパー」や「クッキングシート」はいったいどんな紙なのか気になってきました。
違いはあるのでしょう?
調べてみると、クッキングペーパーとクッキングシートでは、オーブン調理に使えるかどうかの耐熱性の部分が違うことが分かりました。
オーブン調理に使えるのがクッキングシート、使えないのがクッキングペーパーです。
・クッキングペーパーは天然素材の厚手で丈夫なペーパーです。
吸水・吸油性に優れているので、水切り・油取り・落しぶた・出汁こしなどに最適です。
オーブンやトースターは使用できませんが、レンジ機能の場合のみ電子レンジでの使用が可能です。
フライパン調理で使用するときは、目を離さないようにして使用しましょう。
・クッキングシートの材質を見ると、「シリコーン樹脂加工グラシン紙」となっています。
ワックスと違ってシリコーン樹脂は熱に強いので、両面シリコン加工することでオーブンで使用出来るようになっているわけですね。
こびり付きを防止する効果もあるので、クッキーなどを焼く時に助かりますね。
また蒸気は通しても油や汁分は通さないので、蒸し器でシューマイとかおこわを炊く、という時にも使えます。
布巾より清潔で片付けも楽そう、今度使ってみたいと思います。
クッキングシートの意外と知らない注意点
熱に強いクッキングシートにも、注意点があります!
クッキングシートの箱に書いてある使用上の注意を見ると、「直火での使用、及び250℃で20分以上の使用は燃えることがありますので絶対にしないでください」と書いてあります。
そんなことを知らずに、いつも30分も40分も焼いていたという方がけっこういらっしゃると思います。実はわたしも使ったことがあります。今度から気を付けます!
じゃあ、オーブンでちょっと長めに使える紙ってどんなのがあるのでしょう。
オーブンで使うなら
オーブンで安心して使えるのが、250度以上でもOKの「ベーキングシート」や「オーブンシート」です。
ベーキング・オーブンという名前が付くくらいで、焼くという使い方に特化した製品です。
どちらも耐久性のあるグラスファイバー(ガラス繊維)をフッ素樹脂加工(テフロン加工とほぼ同じ)したもので、洗って繰り返し使用することがでるので頻繁にオーブンを使う方には経済的かもしれません。
今は様々な製品があり便利ですが、用途をしっかりと確認して選びましょう。
そしておいしいお菓子や料理作りに挑戦しましょう!
木村容器では、様々なシート、焼成容器を扱っております。
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