ほんの一年前、新型コロナウイルスが流行する前は、地球温暖化の問題や海洋プラスチック問題がニュースやSNSでも取り上げられ、政府も企業も一個人としても、脱プラスチックへの意識が高まっていました。
しかしコロナ禍で多くの方が切羽詰まってテイクアウト・デリバリーを始めたため、今は逆戻りしてプラスチック容器が大量に使われています。
今だけのことを考えれば、脱プラスチックの話題はちょっと脇に追いやられてしまったようにも見えます。
では「エコ」は人々から忘れられてしまったのでしょうか?
たくさんの包装容器を消費するテイクアウト・デリバリーの分野では、この先どのような容器選びをしていったら良いのでしょうか?
そんな点について考察したいと思います。
今後も地球に優しいエコ(環境配慮型)商品が注目されるといえる理由
ニュースでプラスチック問題が話題になる頻度はかなり減った今でも、多くの人々は、地球に優しいエコ(環境配慮型)商品に注目しています。
それどころか、コロナ禍になってからのほうがプラスチックゴミが気になる人が増えています。
なぜなら多くの家庭が外食を控えた結果、食材や惣菜に使われているトレーやフィルム、カップなどの大量のプラスチックゴミが発生しているからです。
もともとコロナ前から、環境・社会に配慮した商品・企業かどうかは消費者にとって購買行動に影響を与える重要項目でした。
例えば、2019年に全国20-60 代の男女計6,000 名を対象に博報堂が行った「生活者のサステナブル購買行動調査」によると、環境・社会へ配慮した商品・企業から購買したいという購入意向を持つ人は全体の8割近くにのぼりました。博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査」
ですから今後も、環境配慮型のエコな商品、エコな容器のニーズは高まっていくと考えられます。
エコ(環境配慮型)商品が必要な他の理由
さらに地球に優しいエコ(環境配慮型)商品が必要な外的な理由もあります。
それは、地球温暖化、ゴミ処理能力の限界、プラスチック原料である石油資源の枯渇などの問題です。
現在使用されている容器包装の多くは石油から作られるプラスチックとなっており、その製造や廃棄の過程で環境問題の一因になっていると考えられています。
エコ(環境配慮型)容器は、こうした容器包装を植物由来のものに変えたり、リサイクルされたプラスチックを原料に使用することによって、環境問題に取り組んでいる製品です。
企業には環境保護を含む社会貢献が求められていますので、消費者の注目する環境に配慮した取り組みを積極的に行っていくことはこれからの成長のカギといえます。
コロナ禍のテイクアウト・デリバリー・ケータリング市場
2020年4月から6月は非常事態宣言が出て飲食店に自粛依頼が出たこともあり、テイクアウト・デリバリーを行い始めた飲食店が急増しました。
しかし各種GO TOキャンペーンの影響もあり、肌感覚では2020年4月から6月にテイクアウト・デリバリーを行っていた飲食店の7~8割ほどの方が、そのテイクアウト・デリバリーを止めているようです。
それでもコロナ前よりテイクアウト・デリバリーを行っていたお店は依然継続しており、コロナ禍の経験によりさらにノウハウを蓄積し、今後アフターコロナでは飲食店の業績を1.5~2倍程押し上げると考えられています。
さらにそれらの店舗はケータリングサービスなども行うようになり、これまでその飲食店では認知されていなかった顧客層にまでその飲食店の認知力を高め、結果的に集客力を向上させています。
つまりアフターコロナでは、このようにただ飲食店内の売上だけでなく、今のコロナ禍の時期にテイクアウト・デリバリー・ケータリングなどを行い、ノウハウを蓄積した飲食店が勝ち組になっていくと考えられます。
テイクアウト・デリバリーでエコ(環境配慮型)容器を使用するメリット
前述した通り、消費者の環境問題への意識は以前高い状態にあります。
ですからエコ(環境配慮型)容器を使用していることは、そのお店がお客様から支持され選ばれるポイントになってきます。
また、環境問題への取り組みは他の企業からの信頼にもつながります。
どの企業も、取引をするなら誠実で信頼できる企業やお店と取引したいと思っています。
エコ(環境配慮型)容器を使用することは、自分のお店が目先の利益だけを考えるのではなく将来を見据えて社会に貢献しようとしている、というメッセージを打ち出すことでもあります。
こうした取組はすぐに結果が出ないことかもしれませんが、将来的に考えるなら長く続く取引につながることも多いので是非真剣に考えてみることをお勧めします。
地球に優しいエコ(環境配慮型) テイクアウト・デリバリー容器
では、エコ(環境配慮型)なテイクアウト・デリバリー容器にはどのようなものがあるのでしょうか。
そのいくつかをご紹介します。
紙容器-パルプモールド容器
エコ(環境配慮型)な紙容器には、パルプモールド容器があります。
パルプモールド容器はパガス(サトウキビから砂糖を絞った残りかす)や竹などから作られた100%植物由来の容器で、微生物によって土に還ります。紙皿などによく使用されていますが。
パルプモールド容器は漂白や着色がなく、素材そのものの自然色で、見るからに環境に良さそうな印象があります。
紙ですので、強度はプラスチックほどではなく、長時間水分の多いものを入れておくのには不向きですが、短時間で消費される洋風軽食などのテイクアウト・デリバリーには適しています。
紙容器-段ボール素材
クラフト紙を素材とする段ボールも、今注目の紙容器です。
例えば、木村容器オリジナルのテーパークラフトランチボックスやピザボックスは、マイクロフルートと呼ばれる薄い段ボールでできています。
マイクロフルートについて詳しくは・・・
段ボールのリサイクル率は95%なのでそれだけでもエコな素材ですが、加えて木村容器が使用しているのはFSC認証マーク付きのものです。(FSC認証;環境保全の観点から見て適切で、社会的な利益に適い、経済も持続可能な、責任ある管理をされた森林や、林産物の責任ある調達に対して与えられるもの。)
テーパークラフトランチボックスは国産段ボールを使用し耐水・耐油加工、さらに電子レンジやオーブン(160℃40分検証済)でも使用できるので、テイクアウトやデリバリーにも安心して提供できます。
テーパークラフトランチボックスについては『注目の新商品 テーパークラフトランチボックスの6つの特徴|オリジナルエコ食品容器』
ピザボックスについては『注目の3つの新商品!オリジナルクラフト(未晒し)商品を一挙ご紹介!』をご覧ください。
バイオマス素材入り容器
バイオマスとは、動植物から生まれた再利用可能な有機性資源のことです。
具体的な例を挙げると、例えばリスパックのバイオニュートシリーズの容器は、100%植物由来のポリ乳酸(PLA)が原料です。
紙容器とは違い植物由来のプラスチックなので、耐水・耐油・透明性の点で優れており、これまでの石油系プラスチックの代替品として導入しやすい容器です。
このバイオニュートシリーズは耐熱温度が50℃なのでアツアツの食品を入れることはできませんが、透明度の高さを活かしてサラダや冷たい麺類などを入れるのにはピッタリです。
もちろん、お弁当やお惣菜を電子レンジで温め直しできるバイオマス容器もあります。
リスパックの容器は木村容器でも取り扱っていますので、どうぞご相談ください。
リサイクル容器
今日本でリサイクルされているプラスチックは、肉・魚などのトレーでよく見るポリスチレンペーパー(PSP)と、ペットボトルの素材で有名なA-PETです。
PSPのトレーはカラフルに加工することもでき、お寿司・巻きずし・いなり寿司などを高級に魅せるのに向いています。
A-PETは耐熱温度が60℃ですが、透明性が高い容器ですので、カットフルーツ、サラダ、冷惣菜の容器としてよく使われています。
カチッと蓋が閉まる嵌合蓋タイプを使用すれば、輪ゴムやテープなどの備品も不要になり、商品が漏れることを心配せずデリバリーできます。
その他エコ商品
テイクアウトデリバリーで使用する消耗品にはほかに割り箸などのカトラリーやマドラーなどもあります。
こうした消耗品も、FSC認証のものを使用することで環境に配慮することができます。
FSC (Forest Stewardship Council:森林管理協議会)は、動植物・生態系保護、木材の最大限の活用などに関して厳しい基準を設けています。
その厳しく適切に管理された森林から出た木材を使用することで、違法で過度な森林伐採の抑制に貢献することができるのです。
マドラーも、塩素を使用せず環境に優しいエコパルプを使用したもの、FSC認証紙を使用したものなどがあります。
可燃ごみとして燃やしても有害物質が出ないので安心です。
まとめ
エコ(環境配慮型)容器には、紙製のもの、植物由来のプラスチック、リサイクル容器など様々な種類があります。
それぞれの素材の特徴をよく理解し、向き不向きを把握した上で、自分のお店のイメージや商品にピッタリのものを選ぶことをおすすめします。
コロナ禍のいま、環境に優しい容器を使ってテイクアウト・デリバリー・ケータリングを駆使することで、お店の好感度と実績をアップさせていきたいものです。
容器を選ぶ際には見た目だけでなく、機能性、耐熱温度、こぼれにくさなどをチェックする必要があります。
失敗しない容器選びを目指すなら、容器のプロである木村容器のパッケージコンシェルジュにご相談ください。