みなさんはパンはお好きですか?
いい香りが漂うパン屋さんで、食べたいパンを選ぶ時はなんとも言えない幸せな気持ちになります。
日本では1983年をピークに米の消費は減少し、逆にパンの増加傾向が続いています。
朝食に毎日パンを食べる人もいれば、おやつやデザートとしてパンを買う人もいます。
最近では、おなかにもたれないからという理由でご飯の代わりにパンを選ぶ高齢者の方も多いようです。
パンの消費が増えるにつれて、本場の味、さらには本場の味を超えたおいしいパンが登場し、パンブームとなっています。
そしてパンブームはコロナ禍での内食需要でさらに加速しているようです。
このコンテンツでは、数千年前にさかのぼるパンの歴史と、日本のパンブームの裏にある事情について取り上げます。
パンとは何?
一般的にパンとは、小麦を粉末にして水、塩、イーストなどを混ぜて捏ね、発酵させてから焼いた食品のことを言います。
ご飯は米を水に浸して炊くというシンプルな調理法ですが、パンにはいくつかの材料と、発酵、捏ね、焼きなど時間のかかる工程が必要です。
しかしその材料の組み合わせや焼き方によって、食パン、バゲット、クロワッサン、ナンなど様々な種類のパンを生み出すことがでる奥の深い食べ物でもあります。
昔から、パンは多くの国で主食となっていて、生活に欠かせないものとなっています。
パンの歴史
パンの歴史はとても古く、古代メソポタミアにまでさかのぼると言われています。
元々は小麦粉を水だけで捏ねて焼いた平たいパンでしたが、古代エジプト時代に偶然発酵して膨らんだパンができ、広まりました。
その後パン作りの技術は古代ギリシャに伝えられました。
古代ギリシャでは、ワイン作りのためにぶどうを発酵させていたため、パンを発酵させるという難しい工程を安定して行う事が出来ました。
そのためギリシャではパン職人によってパンが大量生産できるようになり、ギリシャを支配下に置いたローマ帝国の繁栄とともに、パン作りもヨーロッパやアジア、アフリカへ広まりました。
歴史は浅いがおいしい日本のパン
日本にパンが入ってきたのは、1543年にポルトガル人が漂着し西洋文化が伝えられた時です。
その後、世界大戦によって日本でパンが作られることは一旦中断しましたが、戦後の食糧難の中でパンが復活し、学校給食に取り入れられるなどして普及してゆきました。
世界的に見てパンの歴史がまだまだ浅い日本ですが、今ではパンの本場である欧米でも日本のパンが絶賛されるほどに発展しています。
高まる日本のパンブーム
最近のパンブームというと、「セントル・ザ・ベーカリー」や「乃が美」などで話題になった高級食パンブームですが、それ以前にもいくつかのパンブームがありました。
例えば1996年頃から「コム・シノワ」や「ル・プチメック」などが提供する本格的なバゲットが話題となりました。現在の食パンブームに対して、フランスパンブームと言えるかもしれません。
2000年代に入ってからは、様々な雑誌でパン屋さんが特集されることが増えて、パンは気軽に楽しめるグルメとして多くの人に認知されるようになりました。
そして2013年頃から高級食パンのブームが起き、今でも新しいお店がオープンするなどまだこのブームは続いています。
スーパーでは一斤100~200円程度で買える食パンに、その数倍の金額を払っても買いたいという人が増えているのはなぜでしょうか?
まず純粋に高級パンが美味しいこと、値段相応の満足感があるということがありますが、ほかにも理由があるのです。
コロナ禍でブームが加速?
過去のリーマンショックの時もそうでしたが、不景気と言われる時には、生活全般において節約を心がけながらも嗜好品や日用品で回数を絞ってちょっとした特別感を味わう、という消費傾向が見られます。
今のコロナ禍ではその傾向が一層強くなっています。
外食に行きづらくなったことや、自宅にいる時間が増えたことで、自宅にいる時間をちょっと贅沢に過ごそうという人がとても増えているのです。
コロナ禍での消費行動に関する調査では、調査対象となった25歳〜49歳の女性111名のうち約8割が、消費行動が変化したと回答しており、その中の半数以上が、オンラインでの購入が増えたと回答しています。
また、購入する際に値段よりも味や高級感を重視する傾向が強くなっていることも分かりました。
出典: 「コロナ禍での消費行動」に関する意識調査(株式会社βace)
その結果、パンに関してもちょっと高級なパンを購入したり、有名店のパンを通販で注文する「お取り寄せ」が人気になっています。
まだまだ続く?パンブーム
コロナによる消費行動の変化によってお取り寄せの人気が高まっていることから、デリバリーやオンラインでの販売を始めるパン屋さんが増えています。
今まで実店舗でしか味わえなかったパンがお取り寄せできるようになることは、どこに住んでいても食べたい時に本格的なパンを食べられるということで利用する人が増えています。
また話題性のあるパンも人気です。
例えば俺のBakeryの「俺の罪悪パン」はコロナ禍でも行列ができる人気ぶりで、二週間で1万個を売り上げました。
韓国で大人気のマヌルパンを再現したもので、お値段は一つ¥420、ガーリックバターとクリームチーズで食べた後には罪悪感を感じる高カロリーのパンです。
我慢が続く中で、「今日は我慢しないぞ!」という決意をもって食べたくなるようなネーミングに惹かれます。
そうかと思えば、健康志向の高まりで人気のスープやサラダと一緒に、美味しいパンをセットにするセットランチも人気があります。
サラダブームについては栄養バランスはサラダで完成?!サラダブームをご覧ください。
このように、素材を楽しむ本格的なパンに加えて新しいジャンルのパンも次々登場し、パンの人気はこれからも続きそうです。
まとめ
日本のパンは本場を追い越して世界一とも言われます。
研究を重ねておいしさを追求する日本人だからこそ、これほどおいしいパンを生み出せたのかもしれないですね。
また、最近では通販の中でも日持ちがする冷凍パンの人気が高まっています。
冷凍パンには、焼き立てのパンのおいしさを損なわずに届ける技術が必要ですが、これについてはまた別の記事で取り上げます。
木村容器では、食パンなどに使用するIPP袋をはじめ、油分の多いパンも安心な耐油袋、またマリトッツォなどのデザート系のパンをきれいに入れられる容器、様々な焼成容器なども扱っています。
おいしいパンの販売に欠かせない包装容器について、なんでもお気軽にご相談ください。