食品用包装容器とは
美味しい食事を彩る美しい食器・・・
食事は人間の5感すべてを使って楽しむものかもしれません。
私たちは毎日食事をしますが、その際には必ず「食器」を使います。
そのように私たちの生活に欠かせない食器(食品用容器)は時代に合わせて長い年月をかけて徐々に変化をしてきました。
この記事では、その食品用容器の歴史をお届けしたいと思います。
食物を保存したり持ち運んだりするための入れ物が原点
食品用容器の歴史は、人間の歴史といっても過言ではなく、とても古いものです。
人間が食物を保存したり持ち運んだりするために、それらを収納する入れ物が必要になります。
そうした入れ物が、現在の食品用容器へと変遷してきました。
その初めは天然素材の性質を利用した包装が行われてきたと言われています。
特に日本古来の天然の食品用容器と言えば、木や竹の皮、わら、なわ、木の葉などの素材を手で加工したものが使用され、動物の皮や角や貝殻などを含め、それは食文化が発達した現代でも使用し続けられています。
天然素材から土で作った容器に
その後人類の人口の増加や食糧生産技術や稲作の広がり、そして火の使い方の向上が原因となり、徐々に大きく頑丈で食品の保存ができ、火にもかけられる食品用容器が必要とされてきました。
そこで登場したのは土で作った容器で一般的に土器と言われるものです。
その土器は縄文時代・弥生時代を経て進歩してゆき、その後中国から陶磁器が日本にやってきて、さらに陶器の文化が根付いていき、それによって人々の生活はさらに向上していきました。
土器から様々な材質を使った容器へ
最初は土で作った容器が中心でしたが、徐々に陶磁器や木材加工製品が現れ、時代の流れに合わせて進歩していき、青銅・鉄器・ガラス容器へと進化していきました。
ちなみに紀元前1500年頃の古代エジプトやメソポタミアで「ガラス」が使用されていたことが分かっています。
その頃にはそれら食品用容器に「カラー」を施すようにもなっていました。
最初施すことができる色は少なかったのですが、その後食品用容器への装飾技術も飛躍的に進歩し様々な色で装飾を施すことができるようになり、まさに食事を人間の5感すべてを使って楽しむものになっていったのです。
まさに多様化された現代の食品用容器の先駆けとなった時代です。
中世から缶詰・びんに始まる近代的食品用包装容器へ
中世の時代になると交易が盛んになり、世界中に食器の文化や技術が広がっていきました。
すでにその頃には食品用容器に美術的な要素も求められてようになっています。
そのような食品用包装容器が飛躍的に進歩したのは科学の発展が関係しました。
その科学の発展とともに細菌も発見され、それに纏わり密封・殺菌・保存が可能な包装容器が必要となり、缶詰やびん詰技術が開発された今から210年ほど前の事です。
そのような更なる食品用容器の発展に戦争が関係したことは間違いありません。
現代の食器と包装容器の多種多様化
缶詰・びんの誕生以来、近代的食品用包装容器は技術的、産業的にも目覚しい発展を遂げてきました。
特に現代に見られる食品用包装容器の多種多様化は、第二次大戦後の技術革新により開発された合成樹脂が容器用素材として活用され始めてからのことです。
現代ではそのような合成樹脂を使い、「キッチンで調理して、そのまま食卓に出す」とか「食器のまま加熱調理をして、食卓に出す」という食品用包装容器が増えています。
つまり現代の食品用包装容器は、電子レンジはもちろん、直火、オーブンなどあらゆる加熱料理に対応することが可能となっています。
このように現在でも、さらに大きく変化しつつある人間生活の多種多様化と複雑化により、さらなる効率化や時短が求められ、それに合わせて食品用包装容器も進歩を遂げています。
しかし科学が進歩した現代でも、未だに木や竹、貝殻など古代から連綿と使用されている天然素材が使われているのも、食品用包装容器の魅力の一つなのかもしれません。